出版社内容情報
「十二年後、次の祭りの日に、ここでまた集まろうよ。みんなで」
山に囲まれた早蕨部村で12歳を迎える6人の少女たちは、未年にのみ行われる祭りの巫女に任命される。それは繁栄と災厄をもたらす「おひつじ様」を迎えるため、村の有力者たちが代々守ってきた慣習だった。祭りの日、彼女たちは慣習に隠された本当の意味を知る――。そして12年後、24歳になった彼女たちは、村の習わしを壊すというかつての約束を果たすため、村に集う。脈々と受け継がれた村の恐るべき慣習と、少女たちの運命が交錯する中、山で異様な死体が発見される。
あなたは、真実に気づくことができるか。衝撃のホラーミステリが幕を開ける!
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほたる
9
因習に囚われる閉じた村の中で「ひつじ」という謎の信仰がある。物語には強く引き込まれ、少女たちのどこか諦めたような物悲しい心情にも寄り添っていられる。「謎」らしい「謎」になっているため、解決への糸口をなんとか掴みたいと思わされてしまう。幕引きが良かった。2025/08/27
ゆり
4
『世界でいちばん透きとおった物語』を知っていたので、ああいった感動ものを書いた方とは思えないほど、ゾワゾワと鳥肌が立つホラーでした。世界で~のときも思いましたが、杉井先生は伏線がお上手だなぁと思いました。後半での怒涛の展開にページを捲る手が止まらず、少女たちの選んだ最後で安心したような、少し切なくなるような気持ちでした。同性ということもあるからか、まだ子供ながらに伊知華が生贄のように、自分で身を汚してしまうような選択をしてしまったことに胸が痛くてそこは苦手でした。 #NetGalleyJP2025/08/29
keisuke
3
『世界でいちばん透きとおった物語』から全然違う作風に。ホラーミステリってあるけどそうかなって思ってたらちゃんとホラーミステリだった。だいたい何も知らない主人公が巻き込まれていくのがこの手の話には多いと思うけど、全然違う形、構造で新鮮な内容だった。『世界で〜』は割と序盤で仕掛けが分かってそれほど面白くなかったけど、こんなすごいの書けるのか。 2025/08/28
slice
2
ホラーとしてはあまりに物足りず、百合系のライトノベルとして読んだ。元々がライトノベル作家というだけあり、文章はこなれた感があるが、問題はラストの叙述トリック部分だろう。やりたいことは分かるのだが、どうしても既視感の強い叙述トリックになってしまい、『世界でいちばん透き通った〜』のような驚愕は微塵もないというのが難点。叙述トリック部分をもう少しひねることができなかったのか。こんなしょぼいどんでん返しで茶を濁すくらいなら、最後までホラーとして突っ走って欲しかったと感想。2025/08/30
ぶんぶん
2
netgalleyにて読了 「世界で一番透き通った物語」の杉井光さんの作品。 色々つっこみたいことも多いけどなんやかんや一気読みでした。2025/08/11