内容説明
日本有数のカルト作家・小林信彦の世界を、その著作から完全解析した小林信彦研究の決定版。書き下ろし1200枚!
目次
第1章 素顔の道化師(陰画像の試み;模索と試行;もう一つの原点;二つの世界;転換期)
第2章 道化師の軌跡(喜劇の解読;暗闇の至福)
第3章 道化師の回帰(物語の復権;新編「喜劇的思考」)
第4章 仮面の道化師(サムシング・エルス・オン・アナザーサイド;昨日より若く;道化師のためのレッスン)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kokada_jnet
59
再読。白夜書房のカリスマ営業部員だった藤脇氏が刊行した、「研究本」という名の小林信彦ファンブック。ひいきの引き倒しのような、褒め殺しがかなり多い。「第一期小林信彦」の終了のころの刊行で、カルト作家としての小林信彦が熱かった時代に刊行されたから、現在の目で見ると、「褒めすぎだろう」という場面が多い。単行本未収録の短篇の紹介や、エッセイ本の初出までチェックしてくれているのは、ありがたい。第二長編の「黄色い土地」を「唯一の失敗作」としているのは、私は同意できないけれどね。2009/03/27