内容説明
発表当時、世界中の文学・思想・芸術に圧倒的な影響を与えた伝説の短編集全8作。日本では堀口大學、横光利一ら新感覚派に大きな爪痕が残る…英語版初版時の黒人画家アーロン・ダグラスによる挿絵8点入。
著者等紹介
モラン,ポール[モラン,ポール] [Morand,Paul]
1888‐1976。フランスの作家・外交官。パリ政治学自由学院卒。外務省在職中にコスモポリタン小説『夜ひらく』(1922)がベストセラーとなり、20年代のフランスを代表するモダニスト作家として、日本の新感覚派に大きな影響を与える。後年、スイスに亡命中にココ・シャネルに行ったインタヴューでも知られる。フランス帰国後、1968年から1976年に没するまでフランス学士院会員を務める
吉澤英樹[ヨシザワヒデキ]
1970年生まれ。パリ第三大学博士課程修了。南山大学外国語学部教授。専門は両次大戦間におけるフランス語圏文学・モダニズム思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まどの一哉
2
一見白人に見えても一滴でも黒人の血が混じっていると猛烈な差別を受けた時代。その境遇に抗いながら自身の力で築き上げた地位を守ろうと格闘する人々が登場する。作者はアフリカンの体に流れる土俗的・呪術的な血を、近代文明と白人社会の価値観に対するアンチテーゼとしてしばしば登場させるようだ。それを肯定的に描いているのか、それとも創作上の手段としてただ利用しているのかはわからなかった。ひとつのパターンとなっていた。ただ作品としてはどの短編もおもしろく、飽きさせるような下手なことはない。2018/06/04
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