内容説明
惰眠をむさぼる「善良なる市民」へ疾駆するプレ・ダダの冒険譚。
著者等紹介
シェーアバルト,パウル[シェーアバルト,パウル][Scheerbart,Paul]
1863年ダンツィヒ生まれ。当初は宣教師を志したが、哲学と美術史を学び、ベルリンで詩人・作家・画家として活躍。SFの先駆者、もっとも注目すべきプレ・タダイスト。最初の音響詩やグロテスク小説、革命演劇を執筆、永久機関の実験に耽り、「ガラス建築」を通じて芸術によって地球を祝祭的に変容させるビジョンを構想、ベルリン・ダダイストとブルーノ・タウトら「ガラスの鎖」の建築家たちに大きな影響をおよぼした。1915年没
鈴木芳子[スズキヨシコ]
1987年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。ドイツ文学専攻・翻訳家。1999年ゲーテ・エッセイコンクール受賞(ドイツ語)。『ベビュカン』で2004年度M・ダウテンダイ(日独翻訳)賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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み
13
ジャケ借り。挿し絵も面白かったぁ♪お話しは消化不良気味…^^;2015/04/27
uni
4
星の世界の詩人?のパウル・シェーアバルトの作品はお初です。一部の人々から熱狂的に愛されてる作家らしいですが、読んでみて奇想すぎる思考回路といわゆる空想科学小説と言われるこのジャンルに半ば挫折しかけました。対象年齢低そうな単語散りばめてるくせに、想像力が半端なく追いつかない。ただ、装丁や挿絵のイラストがコラージュのような独創的な絵で世界観にあってるなーと、まともな感想はそれだけです。自由奔放過ぎでしょこの作者(笑)2013/07/23
きゅー
4
「虫けら」と呼ばれる霊たちがレースを行う。ゴールは星々の彼方。先着100万人は(数兆人でレースをやってる)、星=神になることができる。 神になろうとする彼らは変容し、感覚器官を変え、体も意識も変化する。彼らが高みへと上がるにつれて、その視野を広げ、多くの物事が理解できるようになる。奇妙な半人半魚の争い、色とりどりの色彩、想像することも難しい形態描写などの影で繰り広げられているのは、人間の意識レベルの発展過程か。イマジネーション豊かで、奇抜だけど、それだけではないおもしろみを感じる作品だった。2011/11/16
刳森伸一
1
想像力の爆発だ!2012/10/30
putisiyante
1
何の予備知識もなく、題名から児童文学と思ったら、ベンヤミンやギュンター・グラスと同じ頃のダダイストの作品。進化、昇華?していく霊たちに時代と作者が垣間見える。2012/01/24