内容説明
ようこそ!ハルムスワールドへ!今回は児童向け雑誌に書かれた掌篇を中心に厳選、表題戯曲を加えてほぼハッピーエンドに終わる、黒い部分を排したハルムス入門とも言える作品集です。ロシアアヴァンギャルドの真髄、不条理・ナンセンスetc.も充分に味わえる一冊。
著者等紹介
ハルムス,ダニイル[ハルムス,ダニイル][Хармс,Даниил]
1905‐1942。サンクト・ペテルブルク生まれ。ソ連初期のシュルレアリスト、不条理詩人。未来派の影響下で芸術活動を行う。1920年代末に活動した前衛文学集団「オベリウ」の代表者。1930年代、ソ連当局による文化、文学の統制で強化され、活動自粛を余儀なくされて児童文学を書き始めるが、作風が危険視され何度か逮捕される。1941年の逮捕の数か月後に収容所内で餓死したと言われる。その実験的な作品群は地下出版によって読み継がれた
田中隆[タナカタカシ]
1964年、千葉県船橋市に生まれる。典型的な鍵っ子として育つ。県内の高等学校卒業後、ロシアへ留学。ハバロフスク国立教育大学ロシア語コース卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mejiro
5
「インクを買いにいったおばあさん」「お話」「シャルダムサーカス」が特におもしろかった。ブラックな部分がなくても十分楽しめる。目立つ表紙。2015/02/27
ハル
2
「17頭の馬」「インクを買いに行ったおばあさん」「お話し」「シャルダムサーカス」が面白かった。人々は真面目に生きている。人々の必死さが繰り返され、それが可笑しみになり愛おしさになり、最後に上手く収まった。ハッピーエンドはシャルダムの他の作品と異なり、そこが嬉しい。2016/06/12
さとみ
0
柴田元幸編『昨日のように遠い日』で知り、もっと読んでみたかった作家。児童向け雑誌に掲載されたものらしく、かわいらしい話もちらほら。本来はもっとブラックな作風らしいが、これはこれで良い。反復形式を取ることが多く、リズミカルな作品。今度は是非ブラックな短編も読みたい。2014/08/18
あきこ
0
タイトル、「ツィルクシャルダム」より「シャルダムサーカス」のほうがかっこいいから勝った気分2011/11/22
shimada1986
0
ハルムスの児童向けのものを集めたもの。表題作のシャルダムサーカスはハルムスらしい繰り返し表現があり、おもしろい。ブラックな作品は収録されておらず、若干物足りない気がする。2011/06/28
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