内容説明
電子レンジを水洗いするスタッフ。施工代を返さないまま逮捕されたエリック。初めてのお客さんは泥棒!?今日もまた事件勃発。日本人シングルマザー、アフリカで人生を変える!一見ハチャメチャな彼らが教えてくれたルワンダフル・ライフ!戸惑いながらも働くうちに見えてきたのは、どんな過酷な状況も生き抜く彼らのたくましさだった。人生という「旅」の醍醐味を味わう傑作ノンフィクション!
目次
1 開店準備は珍事の連続(アフリカでタイ料理屋を開くのだ;廃墟とケニア人エリック ほか)
2 珍事は続くよ、どこまでも(はじまりは珍客から;何をそんなにお急ぎで? ほか)
3 貧しいって、ツラいよ(起こさねばならない奇跡;スロー・ラーナー ほか)
4 歩き続ける(慈善事業じゃないんだよ;もう、店なんてやめる ほか)
5 2020年、春(新型コロナ、ルワンダ上陸;帰るか、残るか ほか)
著者等紹介
唐渡千紗[カラトチサ]
1984年生まれ・東京都出身。早稲田大学法学部卒業後、株式会社リクルートに就職、人材事業に従事。30歳で退職し、当時5歳の息子を連れてルワンダへ移住。タイ料理屋ASIAN KITCHENを立ち上げ、経営している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
83
「私らしさはアウトプットからしか見えてこない。」94年ルワンダ大虐殺のその年、お隣のタンザニアに観光で旅行したことがある。シングルマザーで30歳にしてビジネスを始めたが、文化の違いでトラブル続き、日本を忘れる修行と言い聞かせて黒字化が見えた所でコロナがやって来た。そんな中貧困にもめげずザッツ・ライフと生きているルワンダ人は、ポスト・ジェノサイド世代の26歳以下が国民の6割以上。両親も家もないスタッフのイノセントの身の上話は想像を絶する。ルワンダに来て5年。息子のミナトはいつの間にか10歳になっていた。2021/08/28
Ikutan
81
飲食業界の経験もなく、料理が好きな訳でもない。そんなシングルマザーの唐渡さんが、大手企業を辞めて、五歳のミナトくんを連れてルワンダに移住しタイ料理屋を開く。先ず、この行動力にびっくりする。その奮闘の記録なのだが、なんとパワフルなこと。日本では当たり前のことが現地では当たり前ではないのだ。次々おこる奇想天外なハプニング。そんなトラブルもポジティブな発想で柔軟に対応。素晴らしいですね。ルワンダという国のことは全く知らなかったな。表紙の悲しい過去を乗り越えたイノセントや誇らし気なスタッフの表情がいい。おすすめ。2021/07/08
なゆ
71
なぬ?!なタイトルで、案ずるより産むがやすしとは言うけれど…このバイタリティは尊敬する。大企業で働くシングルマザーからの転身、飲食店の経験もないのにしかもルワンダ!設計図なんて気にしない工事、レシピって何ですか状態のシェフ、なぜかお店の装飾品を勝手に売られたり、日本では考えられないことだらけ。国が違えばこんなに常識もかわるし、何より日本のあらゆる神対応に気付かされる。そんなハプニングのアレコレを楽しく読んだが、ルワンダ大虐殺とその後のルワンダについて知れたのも良かった。コロナ禍のロックダウン時の様子も。2021/12/04
pohcho
61
30歳のシングルマザーが大手企業を退職し5歳の息子を連れてルワンダに移住。飲食ほぼ未経験で、ゼロからタイ料理店を開いたという実話。スタッフがお店の調度品を勝手にお客に売り払ったり、電子レンジを分解して水洗いしてしまったり、デリバリーの運転手が料理を届けられずに自分で食べてしまったり。驚きの日々が綴られている。面白く読んでいたら、ルワンダの貧困の話やかつての虐殺を生き抜いたスタッフの生い立ちにとても心を動かされた。起業の話としても面白いけど、子育て事情も興味深いし、何よりルワンダに行ってみたくなった。2021/06/12
雪
58
普段あまり読まないジャンルだが、図書館でたまたま見つけて手に取った本。30歳で勤めていた会社を辞め、幼い息子とアフリカのルワンダへ渡りタイ料理店を始めたシングルマザー。文化や考え方、生活水準も日本とは全く違う異国の地での起業(しかも子育てしながら!)は、考えただけでも想像を絶する大変さだが、ユーモア溢れる読みやすい文章でぐいぐい引き込まれて読んだ。1994年の大虐殺については自分の無知を思い知らされた。コロナ禍の今、狭くなった視野を広げてくれる素晴らしい本に出会えた。おすすめです。 2021/05/19