内容説明
フラメンコを踊るネコ、シャナが守る動物たちの楽園「西洋館」。そこには、色も大きさも種類も境遇も違う捨てネコ、捨て犬、他にもたくさんの動物が、仲良く助け合って暮らしています。そして今日もまた、一匹の小さな子ネコが門の前に捨てられて…自身の体験を元に“大切な子供たち”と正面から向き合ってこそ紡ぎ出された30余篇!動物たちの生と死が小さな命に対する現代の悲惨な現状が小さなファンタジーとして鮮やかに描かれる!書き下ろし挿絵35点収載。
著者等紹介
長嶺ヤス子[ナガミネヤスコ]
福島県会津若松出身。三歳のころからモダンバレエを学び、1960年にスペインに留学。20年間フラメンコのトップダンサーとしてスペイン在住。帰国後の創作活動により、芸術祭優秀賞、大賞、舞踏批評家協会賞、ゴールデンアロー賞を受賞、紫綬褒章、旭日小綬章を受章。82年「道成寺」、84年「曼陀羅」をニューヨークのリンカーンせンター及びカーネギーホールで上演、93年「卒塔婆小町」で3度目のニューヨーク公演を成功させた。89年から油絵を描きはじめ、毎年個展を開催している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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野のこ
15
原宿から離れた郊外の丘の上に建つ西洋の館に集まる踊りが上手な猫のシャナ率いる動物たち。表紙のえにグッときて借りました。中身はぐさっときました。動物たちが安心して暮らせるように願うけれど、残酷さをストレートに書かれ目を覆いたくなる箇所が多々ありました。気を引きしめて読まないととても辛い内容です。ファンタジーと現実の温度差がなんとも息苦しい気分になりました。現実もファンタジーであればいいのに。著者の絵は魅力的でした。フラメンコのトップダンサーでもあり個展を開くほどの油絵も描く。あとがきに驚愕。現実だった。2016/12/24
みけのすずね
4
装丁に惹かれて借りました。西洋館と呼ばれるおうちの主、猫のシャナと、そこに集まってきた犬や猫たちとの物語。たくさんの命があるということは、たくさんの死別があるわけで、それでも精一杯生きようとする瞳にぶつかって、たくさんの苦しみを味わって…決してたのしいお話でもなければ、人間に信じられない身勝手なひとがいることを恥ずかしく思う。けれど西洋館が、あの世とこの世の境目にあるあたたかな、大好きなひとの胸の中で息をひきとれるような、そんな場所にも思えてきたのです。2014/10/17
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