内容説明
「ピカソと共にキュビスムを始めた男」よく知られたブラックの姿はその人生の序盤に過ぎなかった。キュビスム以降、セザンヌが切り聞いた道に従って展開し続けた芸術活動―、それこそが美術史上注目されるべきジョルジュ・ブラックの仕事である。アトリエの閉じた宇宙の中で作品を生み続け、「極端なものを追求しない」という「極端な方針」に身を捧げたジョルジュ・ブラックのあり方を、アルベルト・ジャコメッティは晩年、「今日の芸術とそのあらゆる葛藤の最先端部に位置する」ものと表現した。室内装飾職人だった青年ブラックが時代の荒波に立ち向かいながら、フォーヴィスム、キュビスムを乗り切り、ブラックらしいブラックになる過程が、タブロー一枚一枚、彫刻のひとつひとつの発展の解明と共に初めて明らかになる。新しいブラック像の発見。
目次
第1章 セザンヌの影響を受けて
第2章 ザイルで体を結びつけられた登山者パーティー、ブラック=ピカソ
第3章 練り上げられる絵画
第4章 静かな生
第5章 意に反して
第6章 内部装置
第7章 消費される芸術
著者等紹介
ジュルシェ,ベルナール[ジュルシェ,ベルナール][Zurcher,Bernard]
1953年生まれ。近代芸術史家。オランジュリー美術館の助手(1978年)、芸術実験美術館(パレ・ドゥ・トキオ)助手(1979年~1984年)、ルーヴル美術学校講師を勤め、1985年以来パリ現代美術ギャラリーを運営。様々な雑誌、辞典類に執筆協力
北山研二[キタヤマケンジ]
1949年生まれ。東京外国語大学大学院(修士課程)修了。現在、成城大学文芸学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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