内容説明
石川啄木二十七年の生涯を通過した五十余人の女性たちを網羅的に紹介する(第一部)。生前多くを語ることのなかった啄木の妻節子にあふれる思いを語らせる憑依の対談(第二部)。
目次
第1部 啄木の女性たち(堀田秀子;橘智恵子;高橋すゑ;小奴;梅川操;植木貞子;菅原芳子;与謝野晶子;菅野すが;上野さめ子 ほか)
第2部 節子に聞く
著者等紹介
山下多恵子[ヤマシタタエコ]
1953年岩手県雫石町生まれ。高校教諭を経て、現在長岡工業高等専門学校非常勤講師。日本近代文学会会員。国際啄木学会会員。『北方文学』同人。『火山地帯』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroki
3
Naoko本 与謝野晶子はこう評した「石川さんの噓を聞いていると、桜吹雪に吹かれているようだ」。転々と己の立つ場を変える啄木。甲斐性なしの落伍者である啄木が、何ゆえに読まれ憧れの対象となり他国でも評価されるのか?夭折ゆえに垢にまみれることから逃れた部分も否定できまい。誰もが放ってはおけないと思う啄木は、逆照射すると周囲から身ぐるみ剥がされ心を削られる啄木がいることを意味する。本書の後半は啄木の妻節子を通して「愛情とは何か」を作者は語っている。全てを肯定しつくす女性像は作者自身の願望なのかなぁ?2024/08/20