内容説明
ツヤツヤと輝やく赤毛のカシタンカはその名(栗)のようにかわいい仔ギツネそっくりのイヌ。ある日、彼女は主人のお供で街に出掛け、あまりの嬉しさに散歩の途中ではしゃぎすぎて、迷子になってしまう。ひとりぽっちで暗闇にこごえるカシタンカを迎えるのは…。
著者等紹介
チェーホフ,アントン・P.[チェーホフ,アントンP.]
1860‐1904。庶民の子として生まれ、中学の頃から苦学を重ねた。モスクワ大学医学部在学中も家計を助けるため、ユーモラスな短篇を多数の雑誌に発表。社会的関心も高く、結核を養いつつ社会活動や多彩な創作を展開した。「カシタンカ」の他「ロスチャイルドのヴァイオリン」「ステーピ」「サハリン島」「中二階のある家」「犬を連れた奥さん」等の中・短篇、四大戯曲といわれる「かもめ」「ワーニャ伯父さん」「三人姉妹」「桜の園」等がある。鋭い視線で市井に取材し、ありふれた出来事の中に人生の深い意味を描き込み、社会の醜さを描きながらも明るい未来を予感させる作品が多い
デェミードヴァ,ナターリャ[デェミードヴァ,ナターリャ]
カザン市生れ。舞台美術をカザンの美術学校で学ぶ。1980年、国立モスクワ映画大学(当時は全ソ映画大学)美術学科に入学。レフ・ミリチン教授の工房に所属。1987年、同大学を卒業し、サユースムリトフィルム美術部に就職。現在は本の装幀を多く手がける
児島宏子[コジマヒロコ]
映画、音学分野の通訳、翻訳、執筆に広く活躍。日本絵本賞ほか受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
74
赤毛のカシタンカ。最後の場面では読んでいるわたしまで客席を飛び越えて酔っ払いのルカの処に飛び込んで行ったのでした。寒い寒い冬のロシア。カシタンカは酒臭いルカの仕事場の藁の上でどんな夢を見ているのでしょう〜毎年冬になると読みたくなる小さなお話。2017/12/13
ペグ
72
カシタンカ〜毎年一度は読みたくなる。表紙のカシタンカのつぶらな瞳を、飽きることなく見てしまいます。素晴らしい描写力です。大好きな一冊。2019/03/08
KAZOO
60
この絵の表紙がなんともいえない犬の表情であったのとチェーホフ没後100年と名をうっていたので10年ほど前に購入したまま積読にしていました。チェーホフにこのような短篇があるとは思いませんでしたが、童話の領域だとも思いましたが、大人が読んでこの絵を眺めていても心が安らぎました。2015/05/07
ペグ
45
この本を買ったのは何年前だったでしょう〜表紙のこのコと目が合って、そのままレジへ向かったことを思い出します。話の内容は人それぞれの感想があると思いますが、中の挿絵も素晴らしく雪のロシアも生き生きとしていて。いつ見ても飽きることのない可愛くて、ちょっと切ない素敵な本だと思います^o^2016/07/06
星落秋風五丈原
26
カシタンカという名前なのにサーカスでおばさん呼ばわりされる(笑)2025/05/02
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