目次
引き潮
時間
啓示
ネクタルを顔にぶちまけた
私たちの間に―時間
つばさ
切望
悪霊
愛の歌
叫び〔ほか〕
著者等紹介
ポペスク,アデラ[ポペスク,アデラ][Popescu,Adela]
1936年2月7日、ルーマニア南部テレオルマン県ドラクシェネイのベウカ村生まれ。高校時代から詩を書き始め、1953年文学コンクール受賞後、作家同盟の“ミハイ・エミネスク”文学文芸批評学校を卒業。「アル・サヒア映画スタジオ」、週刊『アルビナ』編集部で働いた後、ブカレスト大学文学部へ編入し、1956年に作家・政治家であるジョルジュ・ムンテアンと結婚。夫とともに1959年卒業している。1975年フランスで第1詩集『私たちの間に―時間』を2カ国語版で出版
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感想・レビュー
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cockroach's garten
23
すんなりと読める文だが、象徴主義を思い起こさせる絡まった緻密な比喩の糸が何を示しているのか理解することにはほどほど疲れた。数作好きな作品はあったものの私には合わなかった。ルーマニア土地が歩んできた歴史が彼女に影響を及ぼしていることは間違いない。彼女は共産主義体制のなかで恋い焦がれる少女の甘ったるい歌声の甘美な詩の数々を書き記したのは賞賛すべきことだ。残念なことに私はこのような作品は苦手で歩み寄ろうものの、結局理解しがたい。2017/10/07
新田新一
7
ルーマニアの詩人による詩集です。この本の一番良いところは、原文が載っているところです。ルーマニア語は分からないのですが、解説によると概ねローマ字読みで良いそうです。いくつかの詩は音読しながら、読んでみました。韻を踏んでいる個所もあり、音楽的で整った印象を受けました。作者の詩は、胸の奥にある言葉にならないものを見極めて、それを象徴的に表現するものが多いです。言葉の壁を越えて伝わってくるものを自分の心で受けとめた時に、深い感動を覚えました。2023/09/06
adu
2
偶然手元に来た詩集。扉には、詩人のサインがあった。平易な言葉で書かれていたけれど、その内側を味わうには難しかった。それでも、こうして一人の、ルーマニアの女性の詩を読んでいる時間の幸福。併記された原文の、文字の並びの美しさ。私は、詩集の目次を眺めるのが好きなのだが、その点では、この本はとてもよかった。2022/01/23