内容説明
アテナイの街角で青年達を触発したソクラテスの対話術、弁証法にも通じるダイアローグは、生徒各々の論理的思考の発展を重視するこの教室において、教科通信を介して生徒参加型の授業に成功することで実現した。今われわれが抱える諸問題を考えるという実践もなされ、本来の哲学入門シーンが再現される。発想を反転すれば、教育技法書としても読み得る書。
目次
第1章 模索の歳月
第2章 授業の実際(全体の組み立てと「授業要綱」;哲学の授業の目的と目標と方法 ほか)
第3章 教科通信「天タマ」(悪い生徒をよくするのは教師の仕事か;先生と生徒は対等か ほか)
第4章 授業の終わり(文集;成績 ほか)
終章(三つの提案;まず学級通信を、まず教科通信を)
著者等紹介
牧野紀之[マキノノリユキ]
1939年、東京に生まれる。1963年、東京大学文学部哲学科を卒業。1970年、東京都立大学大学院を卒業。60年安保闘争の中で直面した問題と取り組み、ヘーゲル哲学を介して考える中で、生活を哲学する方法を確立した。明解な論理と平易な文章で知られる。ドイツ語教師としての活動の中で、関口存男(つぎお)氏のドイツ語学を受け継ぐ
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