出版社内容情報
全てが灰燼に帰した敗戦後の思想界を席巻した実存思想はあまりの隆盛故に廃れた。しかし、流行を超えて考えると、全ての価値と意味が崩壊した今、実存哲学が希求されている。感性的なものと倫理的なものの問いに揺れる人間存在という原点に環る。
内容説明
倫理的なものと宗教的なものと共通の対立項である美的=感性的なものの理念を明らかにして感性的陶酔を覚醒することが望まれる。夢から現実への飛躍を伴う範疇の移行であり、自己自身を選び得れば、そこには幸福がある。
目次
人格の陶冶における感性的なものと倫理的なものとの均衡
最後の書翰(神にたいして私たちはいつも正しくない、という考え方にある建徳的なもの)