内容説明
三峡ダムの建設では、100万人以上の住民立ち退きが必要とされる。このうち、2003年6月1日に予定される一部発電のために55万人もの住民移転が強行されている。しかし、移転住民の大半は、生活再建できていない。現地では、公安体制の強化により、辛うじて住民不満の爆発が抑えられているにすぎない。中国政府は、こうした住民不満を、はたしていつまで強権的に抑え続けることができるのであろうか?ダム貯水池地域は、今後、中国における社会的混乱の火薬庫となりかねない。
目次
第1章 中国におけるダム建設と住民移転
第2章 三峡ダム建設と「言論の自由」
第3章 三峡ダムと住民移転
第4章 「開発型移住」と「人権」保障問題
第5章 住民移転と土地・環境容量
第6章 「開発型移住」政策の実行
第7章 「開発型移住」政策の破綻
第8章 三峡プロジェクトと「腐敗」問題
第9章 住民移転問題の行方
著者等紹介
鷲見一夫[スミカズオ]
1938年、愛知県に生まれる。1965年、横浜市立大学文理学部国際関係課程卒業。1970年、一橋大学大学院法学研究科博士課程修了。その後、横浜市立大学専任講師、助教授、教授を経て、1992年より新潟大学法学部教授。専門は、国際環境法
胡〓〓[フーウェイティン]
1962年、中国に生まれる。法学博士。新潟大学現代社会文化研究科外国人客員研究員
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