内容説明
人間写真家細江英公への誘い!自伝三部作完結。未公開写真を含む巨匠の仕事の全容を俯瞰する。その写真から豊饒な作家魂と写真哲学が見えてくる。
目次
序 球体写真二元論
1 若き日の写真―初期作品
2 世界を駆けめぐった写真たち―自選代表作品
3 出番を待つ写真たち
4 知人の芸術家たち
5 未来へのメッセージ―核時代に生きて
著者等紹介
細江英公[ホソエエイコウ]
1933年山形県米沢市に生まれ、東京で育つ。51年富士フォトコンテスト・学生の部最高賞受賞をきっかけに、写真家をめざす。56年「東京のアメリカ娘」で初個展。59年、東松照明、奈良原一高らとともに写真家によるセルフ・エージェンシー「VIVO」を結成、戦後写真の転換期における中心的な存在となる。英国王立写真協会創立150周年記念特別勲章を受章。06年1月、アメリカ・サン・ディエゴ写真美術館(MoPA)よりCentury Award for Life Time Achievementを受賞した。東京工芸大学名誉教授、(社)日本写真家協会、(社)日本写真協会、(社)日本写真学会、日本写真芸術学会、各会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほじゅどー
11
★★★写真とは記録であり表現である。メビウスの帯のごとく表裏一体をなし変幻自在である。また写真とは被写体と写真家の関係の芸術である。写真の位置する場所が被写体に近ければ客観的な記録を重視するものであり、位置する場所が写真家に近ければ写真家の主観的な自己表現性を重視するものである。写真は偶然であれ必然であれ被写体への出会いから始まる。客観を北極、主観を南極とする地球のような球体を考える。荒野を目指す開拓者は球体上を自由自在に移動できる。写真は自由なものである。硬直した原理主義的理論は写真家を不幸にする。2016/09/21
sumaco
1
細江英公の写真は確か大学生の時に薔薇刑を見た気がするから10年ぶりくらいかな、、。なんというか人柄も写真も丁寧な人とという印象。ルックスも上品なおじさまといった感じ。写真自体は「作品性」が本当に強い。カッチリしてる。真面目って感じ。土方巽を撮った「鎌鼬」は未見なので見てみようと思う。2015/04/10
Koki Miyachi
1
細江英公の写真論。写真を表現するメディアとして捉え、作家性の強い写真を数多く発表する。特に三島由紀夫をモデルにした「薔薇刑」は、二人の強烈な個性の稀有な融合。お互いに引き寄せられるようにコラボが実現したストーリーも実に興味深い。舞踏家土方巽や、アントニオ・ガウディの建築との出会いなど、芸術の垣根を超えたコンセプチャルな取り組みは刺激的。本人が語る、好奇心旺盛で芸術を愛する写真家人生冒険譚。2013/05/15
-
- 和書
- トカゲの尻尾はなぜ青い?