内容説明
日本人の朝鮮をみる見方を改めることを訴え続けてきた誠実な知識人の発言と行動を綿密にたどり、朝鮮人の目に照らし合わせて、日本人の歪んだ朝鮮観を白日にさらす。
目次
誘導・脱亜・脅迫の系譜(福沢諭吉)
「信仰の兄弟」(内村鑑三)
日本人の三・一運動観(『京城日報』と原敬を中心に)
日本人の朝鮮統治批判論(吉野作造・中野正剛・柳宗悦・石橋湛山・末広重雄・矢内原忠雄)
朝鮮問題への公憤と芸術への思慕(柳宗悦)
朝鮮の土となった日本人(浅川伯教と浅川巧)
植民者のための牧師(秋月致)
堤岩里虐殺事件と長詩「或る殺戮事件」(斎藤勇)
植民政策学者の朝鮮観(矢内原忠雄)
朝鮮民族性悪論(細井肇)〔ほか〕
著者等紹介
高崎宗司[タカサキソウジ]
1944年茨城県水戸市に生まれる。東京教育大学卒業。2013年まで津田塾大学国際関係学科教授。日本近代史・朝鮮近代史を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てれまこし
2
ナショナリズムは右翼の専売特許のように思われているが、「民族が国家の単位たるべき」という意味でのナショナリズムは必然的に反帝国主義であり、むしろ戦後の左翼知識人に引き継がれている。政府や万年与党は無意識の帝国主義者である。これを国民が知らないが故に、韓国の反発もまた理解できない。帝国主義というのはどこでも高尚な理想の名の下にえげつないことをすることなので、大日本帝国がやったこともそれ以上でもそれ以下でもない。それを大きな声で言えないがゆえに、ナショナリズムも帝国主義も日本ではガラパゴス化するしかない。2017/12/14
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