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出版社内容情報
《内容》 ■1981年の初版以来好評を博し、4版を重ねている胸部単純X線鑑別診断の名著、Reed「Chest Radiology,4/e」の邦訳。■対象とする疾患数が多く、かつ同一の疾患が多種多様な画像所見を呈する一方で、全く異なった疾患が互いによく似た画像所見を呈しうるため、とかく苦労しがちな胸部画像鑑別診断を、わかりやすくていねいに解説する。■各章とも、問題(Question)→鑑別診断をまとめたチャート→解説(Discussion)→診断のポイント→関連する症例写真→Answer Guideで構成され、各画像パターンごとに考えられる鑑別診断のコツを伝授する。■既存の、パターンごとの鑑別診断のリストのみという内容ではなく、典型的な画像と要点の解説も加えたテキストなので、読影時のガイドとして鑑別リストを活用するだけでなく、通読して胸部画像診断の面白さを堪能できる。■単純X線写真をメインにCT、MRIも含め、豊富な画像を随所に盛り込む。■放射線科、呼吸器内科、胸部外科の研修医からベテランまで必携の一冊。《書 評》中田 肇(産業医大教授・放射線科学) CT所見も適宜導入 本書は現在ケンタッキー大学放射線診断学教授であるJames C.Reedの“Chest Radiology : Plain film patterns and differential diagnosis”第4版の翻訳書である。杏林大学医学部放射線科の蜂屋順一教授,聖路加国際病院放射線科の土井修部長のお2人が監修に当たったもので,実際の訳は蜂屋氏以下,胸部の画像診断に実際に携わっている診断医8名が3章ずつ分担している。 第1章の序説に続き胸壁病変など23種類の病変を取り上げており全24章,480頁より成る。いずれの病変も単純X線所見を中心に示し,問題,鑑別診断などのチャート,解説,診断のポイント,症例写真,解答と続いている。現在では胸部領域の診断に不可欠な検査となっているCT所見も適宜に挿入され,時にはMRI所見も含まれている。私の手元にある1981年に出版された第1版当時の単純X線所見だけであった内容との移り変わりに感慨深いものがある。 各章の解説に取り上げられている重要な疾患についての記述は,簡潔で非常に理解しやすくup dateなものになっている。いたずらに文章を長くしないために重要な参考文献が豊富につけ加えてあるのは親切であり有用である。本書はReed教授お1人の記述であり,しかも15年以上にわたって改訂を重ねてきた著書であることが大きな長所である。多忙な中にあってこのような作業を続けていくことは大変なことと思うが,それだけのよさが随所に見られるテキストブックである。全体のバランスがよく記述が一貫している点で高く評価される。まさに胸部画像診断の超講義と呼ぶにふさわしいと思う。 日本の現状に合わせた配慮も 翻訳書には時に直訳が多く原書で読んだほうが理解しやすいこともある。しかし蜂屋,土井両氏のチェックが厳しくなされているお陰で,opacityの訳に見られるように本書は,わが国での正しい用語に合わせるような配慮がなされていて,非常に読みやすいものとなっている。症例によっては最初に掲げてある症例の写真の頁に問題が合わせて呈示されていない不便さがあるが,訳者の責任ではないし全体の構成を損なうものではない。 本書はこれから胸部画像診断を学ぼうとする医師をはじめ,すでにある程度の知識と経験のある者にも非常に有用な教科書としてすすめられる。週刊 医学界新聞 第2294号(1998年6月22日発行)より転載 《目次》 Part I 胸壁・縦隔・胸膜(Chest Wall, Mediastinum, and Pleura)1.序説 2.胸壁病変 Incomplete border sign/肋骨破壊と悪性骨腫瘍/その他の骨腫瘍/胸壁の炎症、外傷、Pancoast腫瘍 3.胸膜腫瘤および胸膜下肺腫瘤 孤立性胸膜病変/多発性胸膜病変/胸膜下肺実質の結節 4.胸水 心陰影の拡大を伴う胸水/無気肺を伴う胸水/肺炎に伴う胸水と膿胸/慢性・再発性胸水/腹部疾患 5.胸膜肥大と胸膜石灰化 器質化胸水/石綿関連胸膜のプラーク/腫瘍/胸膜石灰化 6.横隔膜の挙上 肺下胸水/肺容積の変化/腹部疾患/横隔神経麻痺/横隔膜ヘルニア/横隔膜弛緩症/横隔膜の外傷性破裂/横隔膜腫瘍 7.縦隔の偏位 肺容積の減少/肺容積の増加/胸膜腔の異常 8.縦隔の拡大 血管構造/外傷/腫瘍/感染/脂肪腫症 9.前縦隔腫瘤 胸腺病変/奇形種/リンパ節腫大/胸郭入口部病変/心横隔膜角腫瘤/動脈瘤 10.中縦隔腫瘤 腫瘍性病変/炎症性疾患/AIDS関連リンパ節腫大/血管性病変/原発性腫瘍/重複嚢胞 11.肺門腫瘤 肺動脈高血圧症/肺門リンパ節腫大/片側性肺門リンパ節腫大/両側性肺門リンパ節腫大 12.後縦隔腫瘤 神経性腫瘍/リンパ節腫大/傍脊柱膿瘍/重複嚢胞/動脈瘤/腹部疾患Part II 肺の陰影(Pulmonary Opacitics)13.無気肺 中枢気道閉塞病変/末梢気道閉塞/圧迫性無気肺/受動性無気肺/癒着性無気肺/瘢痕性無気肺 14.区域性および肺葉性陰影 肺葉性・区域性融合影/大葉性肺炎/気管支肺炎/急性間質性肺炎/嚥下性肺炎/結核/肺塞栓症/閉塞性肺炎/肺捻転 15.びまん性肺胞性陰影 肺水腫/炎症/慢性のびまん性融合影 16.多発性不鮮明陰影 炎症性疾患/脈管性病変/腫瘍/特発性間質性疾患/粉塵(その他)吸入性疾患/薬剤反応性/AIDS関連疾患 17.びまん性粒状影 粉塵(その他)吸入性疾患/好酸球性肉芽腫症とサルコイドーシス/転移性肺癌/感染症/免疫能低下の患者 18.微細網状影 肺水腫/急性間質性肺炎/慢性間質性炎症性疾患/腫瘍/粉塵(その他)吸入性疾患/特発性疾患 19.粗大網状影(蜂巣肺) 膠原病/粉塵(その他)吸入性疾患/炎症性疾患/特発性疾患 20.孤立肺結節 孤立肺結節の画像診断/臨床像との相関/肺癌の生検と病期分類 21.多発肺結節と腫瘤 腫瘍/炎症性疾患/血管性病変と膠原病Part III 透過性亢進(Hyperlucent Abnormalities)22.胸部透過性亢進/肺気腫/Air trapping/肺塞栓症/心疾患/一側性肺野透過性亢進 23.孤立性の透亮性欠損像 空洞/腫瘍/血管性病変/吸入による疾患/ニューマトシル/先天性嚢胞/嚢状気管支拡張症/嚢胞性肺気腫 24.多発性透亮性病変 空洞/嚢胞/AIDSに関連した透亮像
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