内容説明
明治20年から15年間、東京帝国大学で教鞭をとった著者による、日本回想録。ルートヴィッヒ・リースは、ベルリン大学でランケに師事し、実証的な歴史学の方法を日本に伝えたことから、「日本近代歴史学の父」とされる。その内容は、大津事件や日露戦争勃発などさまざまな社会的事件に関する見聞、日本の政治家や軍人らの人物像、旧武士身分の封建的体質への批判から、一般家庭の生活、迷信や伝統行事など多岐にわたる。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
36
1905年初出。1988年邦訳初出。日本には傲慢な貴族はいない。ただ家門の名誉だけ(60頁)。大和魂:敵前で死を遂げることに誇りを見いだす(77頁)。日本の文化人の生活は、利己的な衝動と自己犠牲的な共同体意識との力極に分解(120頁)。今や、格差社会で共同体への滅私奉公より町内会離脱を志向したい。顔も見たくない輩が多すぎるので。西園寺公望は健康不全、瞑想的で声が小さい。だが芸術、文学、教育に対するかれの識見は相当なもので、独創的(137頁~)。2016/03/21
Toska
13
明治時代、東京帝大で教えたドイツ人歴史学者による日本論。あのゴードン・スミスの滞在時期と重なるが、遊び人だったスミス氏に対しこちらは生真面目に日本の政治や精神文化を論じており、読み比べると面白い。伊藤、大隈、山県など大物たちの寸評もあり。福沢諭吉はゴリゴリの功利主義者という評価。当時、日本の各界の指導層には留学する者が多く、ヨーロッパ人にしてみれば現代より寧ろ親しみやすかったのかもしれない。2024/05/05
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