ベッドサイドのbasic cardiology
心筋細胞の電気生理学―イオンチャネルから、心電図、不整脈へ

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  • サイズ A5判/ページ数 236p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784895923187
  • NDC分類 491.323
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 「心臓電気生理学はむずかしい」―その原因は、イオンチャネルを中心とした心臓電気生理学、心電図学、不整脈学、あるいはその治療学を、それぞれのステージで個別に学んできた点にある。
それらをむしろ一度に関連づけて学ぶことによって、実は理解できていなかった一連の繋がりと全体像がよくわかり、さらなる学習の興味がもてる,というのが本書のねらいである。
臨床家であると同時に基礎研究に深い関わりをもつ著者が,この意図を実に見事に具体化し,これまでにない切り口で,まさに「目からウロコ」のテキストを実現した。
 これから生理学や心電図を学ぶ医学部学生、基礎関連領域で心臓電気生理学を学び始めた大学院生には恰好の入門書であり、第一線の臨床家にとっては患者の病態把握や治療を基礎的知識に基づいて理論的に再構築する手がかりとなる好著である。
    

《目次》
Part 1 心筋細胞の電気生理学を考える―何を知っておくべきか― 1電気生理学はなぜ難しいのか? 2疑問その1:心臓の電気活動―心臓はなぜ自律的で,規則的なポンプ活動を行うことができるのだろう?― 3疑問その2:心電図―心電図を見ると,なぜ頭が痛くなってしまうのだろう?― 4疑問その3:不整脈の分類―なぜこんなにも複雑に感じるのだろう?― 5疑問その4:抗不整脈薬―どのように使い分ければいいのだろう?― 6心臓の電気生理学を学ぼう
Part 2 分子・細胞レベルで何が起こっているか―ミクロの事象を理解する― 7静止膜電位とイオン濃度勾配:細胞の内と外 8ナトリウム (Na+) チャネルとは? 9カルシウム (Ca2+) チャネルって何? 10カリウム (K+) チャネルの基本 11多彩なK+チャネル:応用編 12イオン交換系 (ポンプ) とは? 何のためにあるのか? 13ペースメーカ活動を作るイオン電流 14電位依存性とは?―より深く知りたい人のために― 15イオンチャネルの心筋内分布 16gap junctionとは?:指令の流し手 17興奮伝導を細胞レベルで考えよう! 18興奮収縮連関についてのお話 19パッチクランプ法とは? 難しい実験方法? 20イオンチャネル,活動電位,そして心電図へ 21P波の成り立ち 22QRS波形のなりたち―異常心電図読解の決め手― 23PQ時間から何が読めるか? 24T波の成り立ち―T波から活動電位を想像する― 25Ta波とは?
Part 3 機能・病態・治療とどう関連しているか―ミクロの知識からマクロの現象を知る―26不応期とは? 伝導とは?―伝導ブロックはどのようにして起きるか?― 27リエントリーとは? 28異常自動能とtriggered activity―わかっていそうで理解していない概念― 29生体の不整脈防御機構――健常者ではなぜ不整脈が起きない? 30イオンチャネルと自律神経―なぜ不整脈はときと場合により出やすくなったり,出にくくなったりするのか?― 31mechanoelectrical feedback―心不全で不整脈が増える理由と伸展活性化イオンチャネル― 32臨床電気生理学的検査の真髄 33gap現象,第3/4相ブロック,fatigue現象―臨床電気生理学的検査の特殊用語― 34reset現象,entrainment現象―頻拍中になぜ電気刺激を加える?― 35虚血心筋の電気生理 36心室肥大で見られる心電図異常の理由 37電解質異常でみられる心電図異常と不整脈 38肺静脈,上大静脈の電気生理 39上室頻拍の基本 40心房粗動の成因 41細動:その神秘  42発作性心房細動の治療 43リモデリング:不整脈の摩訶不思議 44特殊な心室頻拍 45基礎心疾患に伴う心室頻拍 46Brugada症候群:突然死する心電図異常 47QT延長症候群:遺伝子から心電図異常へ48洞機能不全症候群III型を考える 49抗不整脈薬の薬理―あなたはどのくらい知っていますか?― 50Sicilian Gambit―新しい抗不整脈薬の分類は使えるか?― 51抗不整脈薬のNa+チャネル抑制作用 52アミオダロン:不思議な薬物 53抗不整脈薬の代謝:薬物代謝酵素の遺伝子多型 54抗不整脈薬とカテーテル・アブレーションの違い
Part 4 基礎研究の知識を臨床にどう生かすか―ミクロとマクロの統合の試み:21世紀の不整脈治療を考える― 55これからの不整脈診療を考える 56不整脈の基質は可逆的か,不可逆的か? 57不整脈治療の目標―QOLとMortality,RiskとBenefit― 58不整脈治療の実際:ミクロとマクロの統合的応用― (1) 基礎疾患のない心房細動の治療― 59不整脈治療の実際:ミクロとマクロの統合的応用― (2) 基礎疾患のある心房細動の治療―

内容説明

本書は、心臓電気生理現象の不思議さを理解したいと願うすべての方々のために書かれている。生理学や心電図の勉強を始めようとする医学部学生、基礎関連領域で心臓電気生理学を学びはじめた大学院生、そしてとりわけ心電図、不整脈の成り立ちや抗不整脈薬の考え方を基礎的な面からあらためてしっかりと整理したいと願う臨床医の方々を読者として想定した。イオンチャネルを中心とした心臓電気生理学、心電図学、不整脈学、あるいはその治療学(薬物/非薬物療法)などそれぞれの学問についてはすでに立派な成書が多数出版されているが、本書はそのような成書とは異なり、むしろそれぞれの情報の関連性を概念的に、また感覚的に理解できるようにすることを目指している。

目次

1 心筋細胞の電気生理学を考える―何を知っておくべきか(電気生理学はなぜ難しいのか?;疑問その1:心臓の電気活動―心臓はなぜ自律的で、規則的なポンプ活動を行うことができるのだろう? ほか)
2 分子・細胞レベルで何が起こっているか―ミクロの事象を理解する(静止膜電位とイオン濃度勾配:細胞の内と外;ナトリウム(Na+)チャネルとは? ほか)
3 機能・病態・治療とどう関連しているか―ミクロの知識からマクロの現象を知る(不応期とは?伝導とは?伝導ブロックはどのようにして起きるか?;リエントリーとは? ほか)
4 基礎研究の知識を臨床にどう生かすか―ミクロとマクロの統合の試み:21世紀の不整脈治療を考える(これからの不整脈診療を考える;不整脈の基質は可逆的か、不可逆的か? ほか)

著者等紹介

山下武志[ヤマシタタケシ]
(財)心臓血管研究所第三研究部長。1986年東京大学医学部卒業。1994年大阪大学医学部第二薬理学講座。1998年東京大学医学部循環器内科助手。2000年より現職、2002年より病棟部/生理機能検査部副部長兼任。日本心電学会木村栄一賞、日本循環器学会Young Investigator’s Awards、世界心電学会Young Investigator’s Awards受賞。日本内科学会内科認定医、日本循環器学会認定専門医。日本心電学会(評議員、学術諮問委員)、日本心臓電気生理ペーシング学会(評議員)
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感想・レビュー

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はにわ

1
抗不整脈の薬理を知りたかったが、心電図の解読や薬の投与法など、完全にお医者さん向けだった・・・が、著者の心臓の生理学の基礎的な面をよく理解し、それを応用につなげる、という熱意を感じ取れた。基礎研究者としては、抗不整脈薬の有効な開発・投与法は一筋縄ではいかないものだ、というのを認識させられた。2011/03/28

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