出版社内容情報
《内容》 DNAポメラーゼの発見によりノーベル賞を受賞した分子生物学者，コーンバーグ博士は，同僚のポール・バーグらと世界の若手研究者を集めて，シリコンバーレーにDNAX研究所を設立した。やがてこの研究所は，製薬企業であるシェリングプラウ社の全面協力を得ることになった。それぞれがどのような動機から，バイオテクベンチャーを設立したか，その人間関係をも含めたドラマが，本書に生き生きと述べられている。 読者は，科学者の未開拓領域への探求心と，起業家の挑戦心が出会う場を作ることが，ベンチャーの真髄であり，アメリカ社会は，それを可能にする柔軟性と活力をもつことを理解するだろう。また，国や人種を超えて若手研究者に機会を与えるアメリカ社会の吸引力は，科学技術基本法を制定し，科学技術立国を内外に宣言した日本の将来にとっても重要な示唆を与えている。
目次
第１章 バイオテクノロジーの流れと渦
第２章 バイオテクベンチャーの誕生
第３章 進取の気性の自然科学者兼起業家―ザファロニ
第４章 バイオ製薬会社
第５章 バイオテクベンチャーの発展
第６章 ＤＮＡＸとシェリングプラウ
第７章 ジェネンテック、アムジェン、カイロンおよびリジェネロン
第８章 バイオテクベンチャーの賛否
