内容説明
ぼくのなまえは、いやはや。どこにでもいるふつうのねこ。みんながラクラクできること、ぼくにはとってもむずかしい。だけど…。みんながぜったいできないこと、ぼくはラクラクできちゃった。「ぼくだけちがう」は、すてきなこと。
著者等紹介
ゲイ,メアリー=ルイーズ[ゲイ,メアリールイーズ][Gay,Marie‐Louise]
1952年、カナダのケベック州ケベック・シティに生まれる。子どもの頃、カナダじゅう転居をくり返し、英語とフランス語の両方を母語として育った。モントリオール・グラフィック・アーツ協会、モントリオール美術学校に通う学生の頃からイラストで収入を得ていた。26歳の時アメリカに渡り、カリフォルニア州のアカデミー・オブ・アート・カレッジに学ぶ。カナダに戻ってから絵本の制作を始め、デザイン的でユニークな独自の画風で人気を博している。絵本「ステラシリーズ」は、12を超える言語に訳され、世界じゅうで親しまれている。現在、ケベック州モントリオール在住
江國香織[エクニカオリ]
東京都に生まれる。目白学園女子短期大学国語国文科卒。2004年『号泣する準備はできていた』で第130回直木賞を受賞。小説のほか、詩やエッセイも発表し、日本でもっとも注目される作家の一人として活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ままこ
97
この世界では猫は飛べるのが当たり前。しかし“いやはや”はどうしても飛ぶことが出来なかった。色々と飛ぶ努力をするんだけれど…。温かみのある色合いのサラッとした水彩画メアリー・ルイーズ・ゲイさんの絵は遊び心あって味がある。猫の顔がちょっと微妙だけどブタのポーティアは可愛かった。江國香織さんの鷹揚感ある訳が素敵。2020/02/20
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
71
原題〈CARAMBA(ああ、何てこった)〉。江國香織さんが翻訳を手がけた絵本にハズレなし。〈いやはや〉はちょっと変わったところがあるねこ。何しろ、ねこなのに空が飛べないのです! みんなが気持ち良さそうに飛んでいる時は「いまはいいや」と興味ないふりをしますが、心の中は穏やかではありません。友だちに飛べないことを知られないように、秘密の特訓をするのですが……。絵本らしいきれいな絵だけど、なにげにとんでもない設定。でも、みんなに追いつきたいから影で努力する姿は共感できます。2006年5月初版。2015/05/22
Natsuki
55
ネコの【いやはや】(=゚ω゚=)他のネコがみんな当たり前のようにできること、いやはやにはできません(´・ω・`)みんなの前では気にしてないし、興味がないふり。でもやっぱりみんなと同じことができるようになりたい!でも、何をどうやってみてもうまくいかない(>o<")友達のネコ達に協力してもらって、いやはやはみんなと同じことができるようになるのか!?風を感じる海辺の町、あれやこれやと試行錯誤を繰り返すいやはや(*^^*)可愛らしい絵に考えさせられるお話でした。2015/06/08
ぶんこ
39
猫が空を飛ぶ⁉︎そんな時代?のお話。いやはやだけが空を飛べない。挑戦はしてみるみのの、いつも失敗。友だちの豚のポーティアが優しく見守るのも素敵。空は飛べないけれど、ある時アクシデントで海の中へ。ここからが面白い。皆と同じでなくてもいいね。だって、とっておきの「僕だけにできることが見つかったから」江國香織さんの訳が素晴らしい。「いやはや」と訳したとは!2024/09/24
tokotoko
39
ネコの「いやはや」には、どうしてもできないことがあります。練習してもできず、できないところを見つかっても、負け惜しみばかり。そう、「いやはや」って、ちょっと意地っ張りなんです。でもある日、ちょっと強引な友達が「いやはや」をえいっ!と持ち上げてくれて・・・。苦手なことに困ってる人がクスッと笑って読める本です。そして、ちょっぴりの前進でも、例え、ちがう方向にいっちゃっても、いやはやのニコニコ顔を見たら、まっ、それもいいかもって思える本です。江國香織さん訳です。2014/05/06