内容説明
ねえ、うしろにだれかいない?気のせいかなあ?ぼくは、透明人間―孤立した少年が友情の輪に戻るまでを描いた感動作。
著者等紹介
パクジヒ[パクジヒ]
絵本作家。『ぼくが見える?』で、第1回ウンジンジュニア絵本公募展入賞
おおたけきよみ[オオタケキヨミ]
東京純心大学教授。韓国の優れた絵本を多数紹介している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
54
人知れずクラスで「透明な存在」になってしまった少年が、少しずつ勇気を出して、再びクラスメイトと関わりを取り戻していくお話。最初は手や足だけが見えるようになって、名前で呼んでもらえて、存在を認知してもらえることで、姿が見えるようになり、少年は涙を流す。きっかけは、誰かの消しゴムを拾ってあげたり、飛んできたボールを蹴り返してあげたりしたこと。自分からの小さな働きかけが、自分の存在を形作っているのだ。働きかけを待っているだけでは透明なまま。学校に限らず、「自分の居場所」や「存在の拠り所」を失ってしまった人に。2021/11/21
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
49
人知れずクラスで孤立=透明な存在になっていた少年が、人と関わる事で姿が現れていく。自分の存在、居場所に悩んでしまった人は心に響くかも。いじめで無視されたのではなく、内気で人と話す、関わるのが苦手と捉えたが、読み手の捉え方で感じ方も変わってきそうです。2021/12/01
たまきら
47
静かなのか、話せないのか、わからない。自分でもわからないのかもなあ。そしてまわりもわからない。どうやって動き出したらいいのかわからない。そんな、真空のような状態が伝わってきてドキドキしました。娘の学校は学年ごとに1クラスしかない小さな学校です。どんなに無口な子も無口ではいられない環境なせいもあるのか、娘は「なんでそんなふうになるかわかんない」とのこと。ふうん…気づけてないだけなきもするけど。もっと色々かんがえるきっかけにしてほしいな。2022/01/17
ヒラP@ehon.gohon
31
学校の中にいる透明人間って、いじめで無視され続けている存在のように思います。 それとも、誰とも打ち解けられない引きこもりのような存在でしょうか? クラスのみんなから見えるようになったヨンウくんは後者でしょうか。 色々に考えられる、象徴的な絵本です。 ちょっと勇気を出せば、みんなに見えるようになるのでしょうか。 楽天的にも見えますが、ヨンウくんの立場に立って考えたい絵本です。2022/03/23
anne@灯れ松明の火
26
新着棚で。タイトルが気になって。クラスの中で、誰にも気づかれない、透明な「ぼく」。でも、ある日、ひょんなことから、ぼくの存在に、皆が気付き始める……。出だしが、ちょっと よくわからなかったけれど(後半の展開から、いじめられていたわけではないと思う)、孤独の辛さはよくわかる。ひとつのきっかけから、思い切って踏み出す勇気を得られて、良かったね!2021/10/17
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- 和書
- 事実の核心 文春文庫