内容説明
水車といっても大きな水輪がなく、水槽に収まって稼働した小型タービン水車は、その存在すらほとんど知られてこなかった。多賀・八溝の山間地で自家用電気を生み出し、地域産業の動力源としてこれほどまで普及した理由はどこにあったのか?社会科の地域教材開発に端を発し製作工場と関係者を探し出して取材は広がり、茨城・栃木・福島県で118箇所の水車を調査。不足気味な茨城電気事情を実証した地域調査実践レポート。
目次
第1部 生きている小型タービン水車と出会う(はじめに―水車の歴史;総論;稼働していた小型タービン水車―笠間市北吉原の製粉水車と国内のタービン水車;小型タービン水車の製作・販売;生きているタービン水車との出会い―下幡の共有精米水車)
第2部 小型タービン水車導入への歴史的足どり(電気事業の創業と発展;茨城県域における電気事業の展開状況)
第3部 小型タービン水車の遺構を調べる(野外調査の実際;旧高岡村の発電用小型タービン水車;旧松原町・松岡村の製粉精米用タービン水車;北茨木市の発電用タービン水車;日立市のタービン水車;福島県いわき市田人町の発電用タービン水車;栃木県黒羽町の発電用タービン水車;久慈郡大子町のタービン水車;常陸大宮市美和・緒川地区の製粉精米用タービン水車;調査結果のまとめ)
著者等紹介
鈴木良一[スズキリョウイチ]
日本地理学会正会員。昭和18年茨城県多賀郡松岡町(現・高萩市)に生れる。昭和41年茨城大学教育学部卒業。茨城県那珂郡美和村立小田野小学校教諭。昭和55年美和村立鷲子小学校、北茨城市立水沼小学校、北茨城市立明徳小学校を経て高萩市立君田中学校教諭。生徒の郷土自由研究を指導する。昭和60年茨城大学教育学部内地留学研修、中川浩一教授より自家発電水車の調査を地域教材開発の素材にと勧められ、生徒からの情報も得て探索に着手する。昭和61年高萩市立高萩中学校教諭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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