内容説明
「恨」と「幽玄」の軌跡が交わる時。韓国の老農婦の悲痛な姿から『望恨歌』は書かれた。夫は「強制連行」により九州の炭鉱へ、そして果てたという。この演目を歴史・民俗・文学・演者の立場から考察、「能」への新たな視点を探る。
目次
1 「能」の形成と渡来民の芸能―聖徳太子信仰と観阿弥・世阿弥
2 中国・朝鮮・日本の仮面舞の連鎖―世阿弥まで
3 『望恨歌』と百済歌謡「井邑詞」
4 強制連行に向きあった市民と『望恨歌』
5 望恨歌・井邑詞・砧
6 農楽と能楽―国立能楽堂における二〇二〇年交流公演の記録
『望恨歌』
著者等紹介
野村伸一[ノムラシンイチ]
1949年生。慶應義塾大学名誉教授。祭祀芸能を含めた東アジア地域文化研究
竹内光浩[タケウチミツヒロ]
1947年生。元専修大学兼任講師。日本中世史
保立道久[ホタテミチヒサ]
1948年生。東京大学名誉教授。日本の神話と地震・噴火史の社会史的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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