内容説明
多様な民族的出自によって織りなされる華南文化のモザイク。清末以後、顕著となる客家知識人による自文化への言及は、民衆や海外との呼応・共振によって、やがて鮮明な自画像・他者像を生み出した。そしてそれは21世紀の今日、新たな展開を見せつつある。「エスニシティー現象」という人類史の普遍的課題への細密な考究。
目次
第1章 宗族、械闘、海外移住―清末珠江デルタ西部地域における「客」と「土」
第2章 円型土楼―福建省南西部地域における家屋建築と客家
第3章 客家語―言語からみた客家のエスニック・バウンダリーについての再考
第4章 「客」概念と「客家」―海南島〓州・臨高地区におけるエスニシティーの重層構造
第5章 客家アイデンティティーの形成―近現代「客家系著名人」に関する再考から
第6章 客家のイメージ形成―中国、台湾、日本の学術書ならびに一般書にみるその過程
第7章 客家エスニシティーの動態と文化資源
第8章 客家論の人類学
著者等紹介
瀬川昌久[セガワマサヒサ]
1957年、岩手県花巻市生まれ。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。国立民族学博物館助手、東北大学教養部助教授、同大学文学部助教授等を経て、1996年より同大学東北アジア研究センター教授。学術博士(東京大学、1989年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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