内容説明
辺省と呼ばれた雲南・広西の近代思想を、雑誌『雲南』など地域メディアから繙き、軍国民主義・地理学・植民論といった当時最先端の知識・議論を分析。植民地主義や南進論へと至る北からの思想連鎖と、東遊運動や独立論という南からの応答を見据えた、近代アジア思想史の空白を埋める気鋭の論考。
目次
序章 南方および「辺省」としての雲南・広西
第1章 辛亥革命期メディアとベトナム
第2章 遠隔地メディアとしての雑誌『雲南』とその言説
第3章 民主主義の練習―雲南同郷会と『〓(てん)話報』
第4章 雑誌『粤西』の広西社会像
第5章 『南報』・『南風報』における南方へのまなざし
終章 中華民国の成立と南方―ベトナム独立運動との断絶・連続を軸に
著者等紹介
吉川次郎[ヨシカワジロウ]
1972年生まれ。2004年、東京都立大学大学院人文科学研究科(中国文学専攻)博士課程を単位取得の上、退学(博士(文学))。専攻は近代中国思想史。現在、中京大学国際教養学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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