内容説明
インドネシア芸能の伝承を探る。古都ジョクジャカルタの王宮に伝わり、常に政治・文化の中心にあった舞踊。伝統の保持と近代化の間で翻弄されながら踊り手たちが伝承してきたプロセスを、彼らの語りと古文書の渉猟から立体的に解明。生まれては消える無形文化の伝承を、ジャワのコスモロジーと思考様式のなかで追った貴重な試み。
目次
序説(インドネシアの国家と無形文化遺産のあり方;ジャワ社会の価値体系と王宮舞踊;ジョクジャカルタ王宮舞踊の概要)
第一部 ジョクジャカルタ王宮舞踊の発展の歴史(~オランダ植民地時代1945年頃)(王宮内:歴史を刻む;王宮外:ナショナリズムによる王宮舞踊の大衆化(1918~1945年頃))
第二部 踊り手たちの回顧の語り(国家独立~1970年頃)(旧貴族中心の舞踊活動:精神を満たす舞踊;無形文化遺産概念への気づき:観光芸能への批判)
第三部 王宮舞踊の大衆化:秘伝の公開と女性の活躍(1970~1998年頃)(秘伝の精神論の公開;踊り手サスミント・ディプロと舞踊創作;舞踊コンテスト;観光芸能の功罪;女性の踊り手の躍進)
第四部 新たな伝承のかたち:王家の復権への道程(1998年~)(舞踊活動の停滞:踊り手たちへのインタビュー;新しいスタイルでの伝承;創造と伝承:王家の文化イニシアティブの復権(2019年~))
著者等紹介
岡部政美[オカベマサミ]
同志社女子大学学芸学部音楽学科卒業、大阪市立大学大学院文学研究科アジア都市文化学前期博士課程修了(2004年)・同後期博士課程単位取得退学(2011年)。博士(文学)(2022年)。文化遺産学、音楽学。神田外語大学語学専任講師、国立文化財機構アジア太平洋無形文化遺産研究センター等を経て、大阪公立大学都市文化研究センター研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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