内容説明
共産主義の第一人者マルクスと盟友エンゲルスの祖国ドイツでは、憲法制定議会をプロイセン国王が武力で解散させた。立憲主義の成否が問われた時代を生き抜いた2人の『全集』から「立憲主義」という語句を含む発言をすべて洩れなく掘り起こし、彼らの立憲主義観―科学的社会主義(共産主義)における立憲主義の意義を解き明かす。
目次
序篇 近代立憲主義―資本主義の発展の中で自由を求める市民革命によって成立
第1篇 人間的解放を求めた青年期(絶対君主制のプロイセン支配下で自由と立憲主義を渇望した青春;立憲君主制の第一命題は諸権力の均衡;政治的解放を前進させ、労働者革命で人間的解放を目指す)
第2篇 一八四八~四九年の市民革命期―民主制と立憲主義実現のために奮闘(ドイツ三月革命―真の立憲主義か外見的立憲主義か;フランス―立法国民議会の開会から粉砕までが立憲共和制の生存期間)
第3篇 熟年期―立憲主義国における合法的な社会発展の可能性を重視(立憲君主制のイギリス、スペイン、ポルトガル、ベルギー;民主共和制のアメリカ合衆国―憲法の字句から外れないで奴隷制度を廃業;プロイセン国憲紛争と偽装立憲主義;外見的立憲主義のドイツ政府の弾圧に抵抗権を行使;オーストリア帝国―外見的立憲君主制から初歩的な立憲主義へ;フランス―軍事専制から第三共和政に進んで立憲主義が定着;立憲制の歴史的位置と社会の平和的・合法的発展)
最終篇 立憲主義という観点から二人の未来社会論を読む
著者等紹介
市橋秀泰[イチハシヒデヤス]
1953年兵庫県生まれ。1977年東京大学経済学部卒業。鉄鋼輸出会計、発電所設備輸出営業、北京駐在。政治活動。2018年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。