内容説明
一家心中に隠された意外な真相、愛する男の行動に生じた疑念、主婦の噂が広げる思いがけぬ波紋、妻の不貞を疑う夫の激しい苦悶、息子の死が招いた妻への不信、アリバイ工作に生じたほころび、隣家の夫妻に対する疑惑の影、旅館で相次ぐ自殺に潜む奸計、不倫が支払うおそるべき代償―女流ミステリー傑作選九篇。
著者等紹介
結城信孝[ユウキノブタカ]
東京都生まれ。立教大学経済学部卒業。ベースボールマガジン社、内外タイムス社の記者を経て、’90年以降フリーに。各紙誌上にて評論活動を続ける。主な編著書に「花迷宮」、女流ミステリー傑作選「誘惑」「妖美」、「ギャンブル小説傑作選」(全3巻)、「名勝負傑作大全」(全2巻)などがある
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
only1bluerose
13
評価☆☆☆ 複数の女性作家が提供したミステリー傑作集。中でも戸川昌子と小池真理子の短編は面白かった。男性の単純さと愚かさがわかる作品もあるので女性の視点から見るとさらに面白いかも。2013/11/09
陽
12
再読した本だと知るまで、8割ほど読んでからだった。 それほどに対して面白くない内容だったということだな。 感動は記憶に残るんだと言うことが証明された再読だった。2016/10/17
みぃすけ
8
女性作家ばかりを集めたアンソロジー。既読のものもちらほらありましたが、久々に読んだ山村さんや小池さんの良さを再確認。2016/02/27
やいとや
1
女流ミステリ作家で一冊アンソロジーを編むという企画物。キャリアのある作家さんの作品が多い為、古さは否めないが、そこがまた味。栗本薫『犬の眼』は読んでいるが、内容を全く忘れていたので新鮮な気分で読む。矢張りこの頃の栗本薫は良い。これが一番か、と思って読み進めたら掉尾の小池真理子にぶっ飛ばされる。亡くなった親友の妻の色香に迷う中年男の醜態、と書くと身も蓋もないが、その自己欺瞞と弁解が縫子に堕ちて行く様とリンクする筆致が素晴らしい。そして、妻に三行半叩き付けられてお終いかな、と思わせてのラストのエグさよ。傑作。2024/10/09
Mixx
1
乃南アサさんと宮部みゆきさんが年もデビュー年も近いと知ってちょっと驚いた。乃南さんの方がだいぶ年上だと思ってた。おそらく再読物が多かった印象だけど、忘れてることろも多くてそれなりに楽しめた。 それぞれの作者さんのカラーがとてもわかりやすい1冊だったのでは。タイトルと作者を結びつけるクイズを出したら正解者多そう。2018/11/14