内容説明
ノンフィクション作家とはいかがわしくもおもしろい人たちである―ここまで語った10人のノンフィクション作家たち。
目次
僕がホームレスとつきあえたわけ(中村智志)
「鳥瞰図」と「虫瞰図」で通説を揺さぶる(野村進)
インタビューは精神のストリップだ(金子達仁)
世の中のキーワードを崩すのが私の仕事(井田真木子)
自分のイメージを風景からピックアップする(小林紀晴)
「トップ屋」が語るスクープの裏側(加賀孝英)
「酔っぱライター」、辺境を歩く(江口まゆみ)
ノンフィクションなんてないよ(永沢光雄)
ドラマを仕掛けて、散った火花を書く(吉田司)
少年Aの心の空洞を思い描く(高山文彦)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
団塊シニア
21
「僕がホームレスとつきあえたわけ」の中で、ひとりひとりの人生や生活感は人それぞれ違うわけですからそれを丁寧に拾っていく記者になりたいという中村智志氏の言葉にノンフィクション作家としての熱意が感じられた。2018/10/13
ほじゅどー
7
★★10人のノンフィクション・ライターへの取材から伝わってくる彼らの真摯さと、その少々のはみだし加減によって男心や女心をくすぐる彼らの匂い。2020/10/02
nonpono
5
99年発刊。わたしにインタビューアーという位置を意識することを教えてくれたのは、「デラックスプロレス」の井田真木子のクラッシュギャルズの長与千種や神取忍へのインタビューだった。20代、アジアを旅していた時分、小林紀晴の「アジアンジャパニーズ」は衝撃的だったし、雑誌の書評で知った永沢光雄の「AV女優」もまた衝撃的だった。そんな3人へのインタビューも読めるし、90年代の著名なノンフィクションライターのインタビューも読める一冊。それぞれの取材論、取材対象者との距離感、世に出るまでの物語は濃厚で面白かった一冊。2023/04/21
tecchan
1
20年前に刊行。若手ノンフィクションライター10人へのインタビューで、なぜノンフィクションを書くようになったのか、ノンフィクションとは何かなどを問う。 これまでたくさんのノンフィクションを読んできたけれど、現在はまさにノンフィクションにとって危機の時代。掲載する雑誌が近年次々と廃刊され、ライターが生活することも難しい時代。しかし、ノンフィクションは、社会にとっても、人にとっても必要なもの。2021/03/08