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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
27
香り高い紅茶に砂糖やミルクを無造作に混ぜれば元の味が分からなくなる。移民問題もこれに似ている。民族アイデンティティに対する防衛本能がイギリスのEU脱退や米大統領選の底流にある。少数を保護し、多様性を認めるべきという正論と不法滞在や犯罪者の取締りを強化し、福祉ただ乗りを是正することは車の両輪。特定の民族が集積すれば、個人の人格と集団の民度が評価される。集団の民度が低ければ、個人の評価は相殺されるし、例外として受け入れることさえ難しくなる。人口減を補完し、多様性と独自性を調和させるのは今世紀のわが国の難題。2016/12/21
ののまる
12
国際的基準では一年以上住んだら「移民」なのに、今回の在留資格改正も「移民政策ではない」とか政府が繰り返して、統合政策を棚上げして労働力だけ呼び込んで、使い捨てして帰国させようとしている。やって来るのは都合のいい「労働力」じゃなくて「人間」だっていうのに。百歩譲って労働力とするにしたって、いつまでも日本に魅力があって、日本を選んで来てくれるとは限らない。人権も無く奴隷のように働かされた結果、夢を持って来日したのに「日本が嫌いになった」と帰国した留学生・実習生もたくさんいる。2018/11/05
メルセ・ひすい
5
★5 移民は日本社会を根底から変革する点火剤だ! 日本の世界での競争力の低下は同質社会の慣れ合いがあるというのが著者の持論。第一章 全体像 第二~第四章現地住み込み取材 日系ブラジル コリアタウン 外国人妻南魚沼 五章は`90 からの出入国管理政策と各政党の移民問題に対する考え方 多国籍の街、東京・大久保、南米の日系人が多く住む愛知・保見団地、外国人花嫁が嫁いでくる新潟・南魚沼市。3つの地域に住み、さらに日本各地を取材し、移民たちの肉声を伝える第一線の記者によるルポルタージュ。2012/11/22
takao
2
ふむ2018/01/18
Yoshiteru Yoshino
2
日本の移民政策は出入国管理しかない。移民を受け入れる社会統合政策はないに等しい。そもそも日本政府は移民という言葉を避け、定住外国人と呼んでいる。移民がいないから移民政策も必要ないというわけだ。だが、移民は存在する。 上記の筆者の指摘は非常に重いものだと思います。2015/01/14