内容説明
貨幣を単なる交換の道具と考える主流派経済学は、貨幣を問題にできない。インドウェーダ社会、アレアレ社会、古代ローマ社会、アフリカ王権社会など非近代社会と、ユーロ創設を始めとする現代の貨幣現象の徹底分析から、貨幣の起源を明らかにし、いまだ共同体の紐帯として存在する近代貨幣の謎に迫る。
目次
第1部 債務(ヴェーダ・インドにおける祭式的行為への支払い;貨幣取引の儀礼的基礎、もしくは殺し屋に礼を尽くす方法;主権性と正当性の狭間にある金融的事実および貨幣手段―アルカイック社会の金融制度)
第2部 主権(市場経済の貨幣的秩序;メラネシア共同体にとっての貨幣と、ヨーロッパ社会の個人にとっての現代貨幣とを比較する;古代ローマにおける戸口調査・評価・貨幣)
第3部 信頼(勤労者社会における債務と貨幣の二元性について;西・赤道アフリカにおける脱貨幣化と再貨幣化(一九‐二〇世紀)
信頼と貨幣―埋め合わせ・保護・統合の諸紐帯についての心理学)
第4部 現代の諸進化(自己準拠貨幣―現代の貨幣進化に関する考察)
著者等紹介
アグリエッタ,ミシェル[アグリエッタ,ミシェル][Aglietta,Michel]
パリ第10大学の経済学教授。通貨・金融問題の専門家にしてレギュラシオン理論の創始者
オルレアン,アンドレ[オルレアン,アンドレ][Orl´ean,Andr´e]
国立科学研究センター(CNRS)研究主任、理工科学校応用認識論研究センター(CREA)所員。金融論・ミクロ経済学が専門で、近年はコンベンション理論の展開に注力
坂口明義[サカグチアキヨシ]
1959年生。専修大学経済学部教授。貨幣・金融制度論が専門
中野佳裕[ナカノヨシヒロ]
1977年生。国際基督教大学社会科学研究所助手・研究員。専門は平和学、社会政治哲学
中原隆幸[ナカハラタカユキ]
1963年生。阪南大学経済学部教授。レギュラシオン理論に基づく国家財政分析が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 和書
- 新選組一番隊・沖田総司