出版社内容情報
日米開戦70年記念――幻の名著、遂に完訳!
1941年12月8日、日本は遂に対米開戦に追い込まれる――。
大統領ルーズベルトが、非戦を唱えながら日本を対米開戦に追い込む過程を膨大な資料を元に容赦なく暴き、48年に発刊されるも直ちに「禁書」同前に扱われ、占領下日本でも翻訳されることのなかった政治・外交史の大家の幻の遺著、遂に全訳刊行!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブラックジャケット
6
大西洋で米海軍とUボートとの宣戦布告なしの小競り合いは、独軍の自重で全面衝突には至らなかった。FDRは視点を太平洋に変え、日本軍釣り出しに転換。近衛首相とFDRとの太平洋トップ会談を拒否、日本の選択肢を狭め、ハルノートで壁際に追い詰めた。「窮鼠猫を噛む」の喩え通りの展開。著者は様々な公的文書を検証、FDRの心理を探り、日本軍の奇襲はシナリオ同然となった。本書の発表は戦後間もない1948年。英雄FDRを貶めるという非難を浴び、それまでの学問的功績まで泥にまみれた。しかし真に偉大な書物は時を経て輝きを放つ。 2019/01/29
Hiroshi Higashino
2
「第一七章 日本が最初に発砲するよう導く」の言葉通りの一面があるが、結局のところアメリカに限らず人間らしい偽善・欺瞞・保身の結果といった印象・・・2024/07/19
lico
2
上巻は良いところだけだったので下巻は不満点。 かなり冗長だと感じました。 理由は、一つは別議員の意見が何件か転載されているのですが、それらが皆同じ意見を違う言葉で書いているだけだからということ。 一つは著者が結論を導きだすために同じ資料を持ち出したり、直後に資料の全文を載せているためです。 総じて興味のない人から見るととことん見辛くなっています。また、反対派賛成派の意見は反対派の方が多くのせられていますが、これは当時の時流というよりは著者の思惑が強いのだろうなと思いました。2013/12/28
おぎん
1
ひたすら事実の羅列で読みにくかったがアメリカの戦前、戦中の政治のやりとりがわかったような気がする。 一枚岩では無かったのかと2020/09/18
キミ兄
0
開戦時の不透明さについて米国では相当議論されていたことが驚き。☆☆☆☆。2012/05/03