内容説明
水俣病とは何であったか。水俣病問題の全オクターヴ、その日常と非日常、社会的反響から民俗的底部まですべてを包み込んだ巨大な交響楽。『苦海浄土』完結。『苦海浄土』全三部作の空白だった第二部、初の単行本化。
著者等紹介
石牟礼道子[イシムレミチコ]
1927年、熊本県天草郡に生まれる。作家。『苦海浄土―わが水俣病』は、文明の病としての水俣病を鎮魂の文学として描き出した作品として絶賛された。第1回大宅壮一賞を与えられたが受賞辞退。1973年マグサイサイ賞受賞。1993年『十六夜橋』で紫式部文学賞受賞。2001年度朝日賞受賞。『はにかみの国 石牟礼道子全詩集』で2002年度芸術選奨文部科学大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HH2020
6
◎ これはやはり多くのひとに読んでほしい本だ。三部作のなかでも要の作品だと渡辺京二氏が指摘している。水俣病が世に知られた後の患者たちのさらなる苦しみ、混乱、激動が描かれている。たしかに石牟礼道子さんも第一部、第三部よりこの第二部をまとめるのに非常に苦労されたようだ。その苦労の成果に私たちは応えなければならない。2017/01/16
1131you
1
もちろん悲惨なのだがどこか水俣の牧歌的な雰囲気のある第一部と運動の激しいエネルギーを湛える第三部を繋ぐ第二部。第二部が最も難産だったとのことだがそれも納得できる。水俣の人たちの個々の声から大きな運動にごく自然に繋がる。 日本の産業を牽引する企業のトップは人格と見識を備えた人物だと思う思いたいという言葉が辛い。第三部を先に読んでしまったのでこの思いがいかに蹂躙されるかを知ってしまっている。 それだけにあとがきにあるチッソ附属病院の院長の言葉が悲しくも温かいことは数行でもとても印象的だった。2026/06/09
さくらみかげ
1
第一部に続き読んでみたが、石牟礼道子の作品は本当に正体が知れない。水俣病ではなく水俣というどこか牧歌的な世界を描くという意味では文学だが、同時に水俣病問題を通したチッソへの、国への、社会への告発という点で、ドキュメンタリーとしても成立している。クライマックスを飾る株主総会の、御詠歌と直訴のシーンは土本典昭の『水俣 患者さんとその世界』に映像として記録されているので、併せて観てほしい。池澤夏樹が言うように、苦海と浄土という一見相反する情景を想起させる2つの単語は、実は水俣病患者の中に同居していたのだろう。2011/09/16
カネコ
1
◎2010/07/01
小川恭平
0
この間違いを犯して、今も原発の間違いを正せていない。人間は進化しているようで退化している。




