内容説明
徳川幕府のもと、太平の世が続いたいわゆる江戸時代。身分制度秩序のなかで、女性の顔が見えにくい時代ともいわれる。これまでの歴史から抜け落ちてきた関係存在としての女と男を、アイヌの口承伝承に、生活空間や食文化と社会関係に、情報としての浮世絵に、子をめぐる生と死のありように見ることで「爛熟する女と男」の近世を描き出す。
目次
2 家・婚姻の基層(仮名草子にみる女性の家族と仕事;「子返し・子まびき」論と婚姻規範;幕末期の婚姻と離婚―『全国民事慣例類集』の陳述より)
3 庶民生活に交錯する陰影と自在(女性の生活空間―各階層をめぐって;近世捨子史考―加賀藩の事例を中心に;江戸時代の食文化;アイヌ女性の心性)