内容説明
一九三〇年、世は正に大恐慌時代で町じゅうに失業者があふれているアメリカ。ミンティとエッグズは、何をやっても、うまくいかないパパといっしょに町を出て、伯母のところにむかう。ところが、その途中、車が故障して立ち往生してしまう!そこで見つけた夏の別荘。ミンティたちは、森のなかにひっそりと建つその家で、ひと冬こっそりとかくれ住まわせてもらおうとするのだった…。ニューベリー賞作家ブリンクがつづる、ウィスコンシンの豊かな自然を舞台の、ユーモアと詩情あふれる物語、初翻訳。
著者等紹介
ブリンク,キャロル・ライリー[ブリンク,キャロルライリー][Brink,Carol Ryrie]
1895~1981年。アメリカのアイダホで生まれる。ウィスコンシンの開拓者であった祖母をモデルにした『風の子キャディ』で1936年にニューベリー賞、1959年にルイス・キャロル・シェルフ賞を受賞
谷口由美子[タニグチユミコ]
山梨県に生まれる。上智大学英語学科卒業。主にアメリカ児童文学の翻訳、研究に携わっている
中村悦子[ナカムラエツコ]
群馬県に生まれる。児童書の挿絵や絵本の分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
57
1930年の大恐慌時代のアメリカ。失業したパパとその子どもたちのミンティとエッグズは、森の中で見つけた別荘に隠れ住むことになります。ミンティは不安だらけなのに、お父さんは超楽天的で気にしない。豊かな自然の描写、素朴な毎日の生活は最高に楽しそう。しかし、ついにバレそうになってしまい…。こういう古き良きアメリカを感じられる児童書は大好き。中村悦子さんの挿絵も美しい。お父さんの得意料理のパンケーキが美味しそうで、食べたくなります。2017/12/13
ぶんこ
37
とても面白かったです。ワイルダーと同年代の著者作品。ワイルダーにはまりましたが、こちらのほうが好み。ワイルダーは読んでいてしんどくなるのですが、ブリンクはほのぼの。何をしても失敗ばかりする失業者の父ですが、いたって能天気なお人好し。父と同じく能天気な妹、現実的で正直者、真面目な姉ミンティが、一人でやきもきするのがいじらしい。車の故障で立ち往生した一家は、空き家になっていた夏の別荘無断で住みつきます。楽しむ父と妹。心配しつつも別荘生活を楽しむ姉。大吹雪に逃げ込んできた親子をもてなし・・・意外な結末が。2017/12/21
速水 舞
5
旅の途中、車が故障して動けなくなったミンティ家族は、偶然見つけた無人の別荘に勝手に住むことにする。いつ、見つかるか不安なミンティをよそに楽しむ父と妹。アメリカの古きよき児童文学。外国児童文学の常として、食事シーンが魅力的ですね~(私だけ?)パンケーキが食べたい!2015/05/29
長くつしたのピッピ
4
児童文学万歳!失業中のパパや幼い妹を支える長女。見知らぬ人の家に勝手に住んでしまうが、こんな事をしてはいけないという子どもらしい道徳観が、読んでいていじらしい。せめて家主に借りていた間の賃貸料を払いたいと日々悩んでいる姿が健気。 2011/08/09
みみこ
3
安心して結末へ向かえる本。真面目なミンティが楽しみを見つけることができたのが嬉しい。2016/11/23