内容説明
それは地球の始まり。太陽系の始まり。そしてこの宇宙の始まり。わたしたちがなぜいまここにいるかの、ながいながい物語。光は語る(星が生まれてから死ぬまでの物語を)。闇も語る(星が死んでから生まれるまでの物語を)。光と闇とが語る言葉にならない言葉を、学者たちは夜空に読みとり、数式をあやつって、はるかな誕生の物語をつむぐ。
著者等紹介
寮美千子[リョウミチコ]
1955年生まれ。県立千葉高校卒。86年、毎日童話新人賞受賞。91~97年、衛星放送ラジオ局「セント・ギガ」に約400篇の詩を提供。92年、ACCの助成を受けアメリカ訪問、NASA及び先住民居留地を取材。同年、野辺山電波天文台十周年記念絵本『ほしがうたっている』(思索社)を制作。97~98年、科学技術庁「宇宙開発委員会」専門委員。2003年、国際天文学連合により小惑星8304がRyomichicoと命名される
東逸子[アズマイツコ]
1953年生まれ。東京芸術大学美術学部卒業後、卒業制作作品を含む絵本出版をきっかけに、エッチング(銅版画)作品で仕事を始める。以降、個展でオリジナル銅版画作品を発表するとともに、ドローイングも含めた作品で画集、絵本、装丁挿画など、主に出版物での仕事を手掛ける
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シンクウ
5
(再読)某バンドのアルバムを傾聴していてふと思い出した物語。何故かな。「宇宙」を想う度に「自分」と出くわす。あれらの唄に、これらの物語に導かれて覗いた宇宙に、私は今まで何度も自分を見つけてしまった。見つかってしまった。あぁいたたまれない。でも愛しい。うぎゃあ恥ずかしっ。なんだかんだ嬉しい。そしていずれ苦しむ時が来て、だけどいつか笑えるその時へ、今、歩み出す。…抽象的すぎるなこりゃ(笑) 全てが美しく麗しい、宇宙を覗ける絵本です。…いつか耳にした「宇宙へ向へ」という言葉が、今になって私の琴線を震わせた。 2010/12/14
温
4
大好きな東逸子さんの絵に、これまた大好きな寮美千子さんの言葉が添えられ、なんて豪華。至福。遠く遠く、はるか遠くの銀河に想いをはせ、この星に生きとし生けるもの、すべてがいとおしくなるような、優しい気持ちになれました。2010/05/23
ケイゾウ
3
寮美千子さんの詩と東逸子さんの画によるとても美しい絵本。とにかく東さんの絵が素晴らしいです! 1ページ1ページを時間を掛けて眺めました。寮さんの詩は断定的な言い回しが少し気になりましたが、メッセージとしての作者の想いは十分に伝わってきました。全てのものが根っこをひとつとした兄弟であるとは、寮さんの作品に共通するテーマのように感じます。「ほんとうは みんな 星から生まれた兄弟なのに 翼をもった心が 越えられないはずがないのに 国境を 民族を 肌の色を 憎しみを」2014/11/05
卯月
3
遊学館。本文(詩)はあまり印象に残っていないけれど、絵がとても美しい。望遠鏡、と言ったときに、光学望遠鏡だけでなくて電波望遠鏡(パラボラアンテナ)まで描いてくれるのが素敵。2013/09/01
ryuetto
3
言葉の美しさとイラストの美しさが見事にマッチして、感動的にしあがった絵本です。 「人は空を見上げ、遠い星をおもう」「私たちはみな、星のかけら」というリズム感のある詩のメッセージがとてもきれいで、印象に残りました。2005/05/27