感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホシ
17
浄土教の正しさを夥しい経文を引いて立証しようとする親鸞聖人の気迫と熱意を感じました。『教行信証』は金子大栄師による岩波文庫の書き下し文を読んだことがありますが、それは字面が追えれば良いというものでした。しかし、今生に人身を受けたからには少しでも内容を理解したいと思い直し、手に取りました。難解を極める箇所もありましたが、阿闍世王の話や三願転入の部分は現代語訳を読んで、より理解できたように思います。当然ながら「正信念仏偈」の現代語もありますので、ここは折に触れて読み返したいですね。2019/03/12
モリータ
8
◆2000年刊、浄土真宗教学研究所編纂、浄土真宗本願寺派発行。底本は『浄土真宗聖典(注釈版)』。◆13日に死去した祖母の通夜・葬儀前に参照したあと、既読本棚へ(通読はしていない)。通夜(枕経)では阿弥陀経と白骨の御文章、葬儀では正信念仏偈、念仏・和讃など。本書は現代語訳のみなので、適宜岩波文庫版『浄土三部経』『蓮如文集』で補う(『親鸞和讃集』は持っていなかった。◆2009年に門徒の祖父が死去した際、龍谷大で非常勤をしていた知人が「お土産」に買ってきてくださったもの。2022/05/15
じゃくお
5
知識がない状態で読むと難解に感じるが、基礎知識を知ってから読むと本著が親切に書かれているとわかる。当時の真宗は聖道門勢力から強く非難されており、そのような真理に暗い僧侶や衆生のために本著は経や論を用いて丁寧に諭す。浄土三部経で釈尊が説かれていることを受け入れ、他力念仏に専念すればよいだけなのだが、易行を信じられない衆生には経や論を用いた懇切丁寧な教え方が必要だろう。2018/12/29
じゃくお
2
浄土真宗の教えを学ぶためには必読の書。親鸞聖人が教、行、信、証、真仏土、化身土についての正しい教えをまとめた本書を読むことで、浄土三部経を読むだけでは理解できない箇所を理解できる。九品の違いはあっても、往生したら何の違いもないこと。五逆の罪と謗法を犯すものは摂めとられないと説いたのは、衆生を守るための慈悲の心から仰られた方便であること等を知り、私の教えへの疑いは晴れた。 コメントへ続く。2018/02/08