内容説明
聖人は何を説き、いかに生きたか?生涯を真宗史研究に捧げた千葉乘隆元龍谷大学学長の絶筆、親鸞伝の決定版。徳永道雄勧学(京都女子大学名誉教授)が「他力」「悪人正機」「往生」を現代に語る。
目次
第1篇 親鸞聖人のご生涯(末法濁世;親鸞聖人の生い立ち;比叡山時代の聖人;雑行を棄てて本願に帰す;吉水時代 ほか)
第2篇 親鸞聖人の教え―本願他力の救い(現代の浄土真宗の問題点;親鸞聖人の教えと現代;私自身にとっての親鸞聖人の教え;教えを支える三本の柱;三哉の文)
附篇
著者等紹介
千葉乘隆[チバジョウリュウ]
1921年生まれ。龍谷大学文学部国史科卒業、元龍谷大学学長、元本願寺史料研究所所長、元国際仏教文化協会理事長、元相愛学園理事長、徳島県美馬市・安樂寺前住職。2008年、逝去
徳永道雄[トクナガミチオ]
法名・釋一道。1941年生まれ。大阪外国語大学英語学科卒業。龍谷大学大学院真宗学専攻博士課程修了。本願寺派宗学院卒業。現在、本願寺国際センター英文真宗聖典翻訳研究員、勧学、京都女子大学名誉教授、本願寺派宗学院講師、教学伝道研究センター顧問、大阪府八尾市・正福寺住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じゃくお
8
親鸞聖人の生涯を優しく説明しているため、聖人について学びたい初学者に相応しい内容です。聖人の生涯について書かれた本は多数ありますが、この本の最大の特徴は現代仏教界に警鐘を鳴らしている点と言えます。題名には「教えと生涯」と付されているのですが、「教え」に関してはやや進歩的な内容が僅かに書かれているのみです。「生涯」は簡単な内容で網羅されているんですがね。しかし、この本の魅力は現代仏教界への注意喚起や誤った仏教理解を正すことにあると思います。少し変わった構成ではありますが、素晴らしい本です。2019/04/06
wuhujiang
2
西本願寺で購入。第一篇で親鸞聖人の生涯を紹介し、第二篇で浄土真宗の教えを説く。正直難解なのが第二篇で、阿弥陀仏の本願、力にによって衆生は浄土へ行ける。逆に、自分の力で悟りを開き浄土に行こうと努力する=阿弥陀仏の本願を疑うことになるので余計、捨て去るべしということか?現世利益を求める宗教というわけではないのもわかった。しかし、本書の中で「仏教には現代が欠けている。現代社会に参加、貢献すべき」といってもやれることが限られてはいないか?と疑問に思ってしまった。2022/12/21
じゃくお
2
親鸞聖人の生涯と教えを一度に学べるので、使いやすいです。親鸞聖人の教えについて徳永さんが書いた部が特に面白く、今の浄土真宗界や宗徒に対しての注意的な内容が興味深いものでした。もちろん私も凡夫ですから、他力本願ではなく自力頼みになってしまう人々の話を読んで、気を付けなければいけないと改めて考えさせられます。二部構成の両方ともが読みやすく、初心者に合う内容で満足です。2017/09/18
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