目次
蝶の翅
時間の流れる場所
垂直の闇
手首
ひび割れた舌
黄金螺旋
ひとつの果実
聖水盤
夜の先端
動く夕暮れ〔ほか〕
著者等紹介
森山恵[モリヤマメグミ]
東京生まれ。聖心女子大学文学部外国語外国文学科卒業。同大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gorgeanalogue
10
著者自身が新しい訳を出されたヴァージニア・ウルフの「波」へのオードとも思えるカリグラム的な「魂の水際」よりもリルケを思わせる「雨 と//そしてその雨とに触れて/強烈な関係を結ぶことがあっただろうか」(「雨」)、聖書のページが風になぶられ「聖なる言葉」が「回帰の空へと駆け上がる」という「赤い帆布」、まさにその楽曲を思い出す「予告されたものの唐突な訪れ」(「弦楽のためのレクイエム」)に惹かれた。「肉の微細な異和/裂開」の「内なる触知」(岩成達也)は、溶けた蠟や灰や炎となって我々に傷を与え続ける。2021/10/22