内容説明
しばしば政治は結果責任といわれるが、民主主義においてはプロセスも劣らず重要である。国民が政治や行政のプロセスを理解し、その是非を判断することは、国民の権利である同時に義務でもある。さらに、統治の仕組みに対する認識を深めることは、政治や行政をより良い方向に導くことにも資する。本書はこうした問題意識のもと、わが国の政治や行政の実態を少しでも明確にし、多少なりとも読者の理解を深めるために著したものである。とりわけ全体を通じ、自民党や官僚の強さの源泉、そして五五年体制崩壊後の変化を理解していただき、政治や行政の分野における今後の課題を考える契機にしていただくことを目指している。
目次
第1章 国会の機能(国会の役割;国会の機構;国会議員の職務;国会無能論と機能論;国会改革)
第2章 内閣と行政組織(内閣の位置付け;内閣総理大臣と官邸機能;行政組織と官僚制;審議会;行政改革)
第3章 政党の役割(選挙制度と政権形態;五五年体制;政治改革と連立政権の時代;政党をめぐる諸問題;政治不信と無党派層)
第4章 政策決定過程(政策のインプット;調整と機関決定;立法過程;予算編成;行政監視と政策評価)
第5章 地方自治(国と地方との関係;地方分権;地方行政体制の整備;地方選挙;住民参加)
著者等紹介
本田雅俊[ホンダマサトシ]
1967年富山県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。内閣官房副長官秘書等を経て、同大学大学院博士課程修了(法学博士)。1998年より武蔵野女子大学現代社会学部助教授(日本政治論・政策過程論)。慶応、杏林、北陸の各大学で非常勤講師を歴任。また、参議院の将来像を考える有識者懇談会・幹事、地方分権推進委員会・審議協力員等も務める。2001年4月より政策研究大学院大学客員助教授および日本学術振興会学術研究員、同9月より米国ジョージタウン大学客員准教授
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