内容説明
本書は、西洋政治思想についての大学での講義を念頭において執筆されたものである。その内容はギリシアから現代に至るまでの範囲を含み、内容上、全体を展望できるような工夫をこらしてある。
目次
1 古典古代政治思想
2 中世政治思想
3 近代政治思想
4 現代政治思想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
37
マキアヴェッリやボダンからホッブズ、ロックへと流れ、反転してモンテスキューやルソーを生み、ヘーゲル、マルクスを経由してミルへ至る近代政治思想は面白い。難しいことを考えずに、美術館を気ままに見て回るように興味本位で読む。そうするうちに近代だけでなく、古代・中世の思想やコスモロジー、はたまた現代の政治理論への興味も膨らんだ。思想は突然出てくるのではなく、人が長い間に社会や生活について考えた集積の上に在る…そんな当たり前のことに感動しているうちに、高校で学んだ世界史や倫理の、先生方のお話しぶりまで浮かんできた。2014/03/26
うえ
9
「ミヘルスは、マルクス主義者として出発し、最終的にはファシズムに期待するようになった。ミヘルスはパレートとモスカに刺激され、大衆民主制が寡頭政化の傾向を持つことを、現代政治における最も重要な集団である政党の分析を通じて実証的に証明…彼はドイツのマルクス主義政党である社会民主党を取り上げて、党内の実態を詳しく調査し、大衆のための政党を標榜するこの政党ですら内部は全く民主的でなく、極めて原理的エリート主義的に運営されていると結露づけた…社会主義と民主制との両立を疑わせるに足るとミヘルスは考え、ファシズムに」2020/03/11
さいごの砦
2
政治哲学教科書。 広く浅くという感じ。哲学史の潮流をざっくり掴むにはオススメ。ただし少し難解。2018/01/29
代拿邁人☆
1
定評ある教科書でよくまとまっているが、教科書なので面白くはない…2024/02/26
フルボッコス代官
1
たぶん日本で一番読みやすくて、概観が理解できる最高の入門書(もうそれを超えているが)だと思う。西洋政治思想史は日本人には難解というのがデフォルトだが、それを平易とまではいかないが、理解しやすいように解説されているところが良書の所以。オレみたいな馬鹿野郎でも読み切れる逸品。2020/08/21