内容説明
泉鏡花の幻想と文学はどこからきたか。切実にテクストの深層から聴こえてくる泉鏡花の声を求めて、辿りついた畢生の作家の肖像。「泉鏡花」と名づけられた織物が、現在の研究状況を踏まえながらあきらかにされる。
目次
序章 赤のまんま
第1章 母なるもの
第2章 裏店と珊瑚の簪
第3章 師尾崎紅葉
第4章 観念小説とは何か
第5章 「一之巻」の風景
第6章 「婦系図」成立の背景
第7章 お蔦のために
第8章 逗子の幻想地誌
第9章 自然主義の風圧
第10章 劇的なものを巡って
第11章 現代文明の十字路にて