感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
カットアップとフォールドインを施した英文は意外と格調が高いのに、邦訳されると別ものになる感じがするのは、意味が伝わると感染が拡大し、現実をノヴァ・ギャング達にいいように操られるのを防ぐためではないか?何しろ宇宙からやってきた奴らは人類に寄生させた言語というウィルスで現実を操作しているからだ。作者も訳者もこの物語のパルチザンの一人で、さらにノヴァ警察も加わって、このギャング達を追い詰めて「地球大爆発」を起こそうとしているのだろう。こうして、何者かに現実が操られているという強迫観念は、読者に陰謀を感染させる。2020/11/22
千石京二
5
ゆっくりかき消える──線路上できみをかれに告げた──確かにすべておしまい──ぼくは夢の中で絶対に予言化してユリのシャツをつかんで最期のことばを投げかれのユーゴスラビア・ナイフに答える──おれはシャノンを拾ってイブ・マーチンは視覚を拒否しないかもしれない──みんな見てる──でもぼくは日記を続ける──「ミスター・ブラッドレー・ミスター・マーチン」?──きみはかれの目──突然わかったんです、ベイルズさんコルソさんバロウズさん、地上の存在はみんな冗談なんだって──そしてわたしはこう考える:「変なの──宙に溶けた」2020/04/03
unknown
5
人間に取りつき、宿主に気づかれないように好き勝手に悪さをする異星生命体「ノヴァ(ノヴァ・ギャング)」と、彼らの悪行を食い止めるべく活動する「ノヴァ警察」の戦いの記録…なんだそうだが、正直よくわからん。「言語はウィルスみたいなもんさね」という考えにはなるほどと思うところがあるんだけれども、カットアップ&フォールド・イン炸裂の本編はとてもケイオス、脳みそこねこね。「全然頭に入ってこないのはノヴァの意識的侵略のせいなんだ!」とか言ってみる。氾濫する言葉とイメージを前に「考えるな、感じろ」と開き直ってもみる。2012/07/14
Takahashi Rikiya
2
あなたも陰謀史観論者になれる! これに気が付いたのは世界でも数人だと思うんですけど……「言語はウイルスだ」。 はてさてカットアップである。編集手法である。物語の作為性を排除するはずが、これ自体が作為的な、あまりに作為的なマジックアイテムとして消費されるようになった。神話のない国は強度の高い虚構を求めて、クトゥルー、UFO、そして麻薬中毒者の妄想を手にしたわけですな。作者の手を離れる拡張性。2017/01/01
mejiro
2
言葉は宇宙から来たウイルスである、という発想が斬新。文章として読もうとしても意味不明だけど、単語の組み合わせが断片的なイメージを生む。…と意味を探す人をからかい挑発してる気がする。猥雑でなんともいえない不思議。2014/08/13
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- 和書
- わたしは異国で死ぬ