内容説明
クラスで八番目にかわいい(?)香な子(小5♀)と深夜ラジオばかり聞いているコーモリ(小5♂)が、お花茶屋を舞台に織り成す感動の物語。疾走感のあるラストシーンが涙を誘う、初恋未満のリトルラブストーリー。幸福な未来へと走れ!書き下ろし短編「月食」収録。
著者等紹介
山本幸久[ヤマモトユキヒサ]
1966年東京生まれ。中央大学文学部卒業後、会社勤務を経て、編集プロダクション勤務。2003年『笑う招き猫』で第16回小説すばる新人賞を受賞。ユーモアのある文章と魅力的な人物造型が、注目をあつめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐々陽太朗(K.Tsubota)
105
素敵なラブ・ストーリーでした。本作にも山本幸久氏の登場人物に注ぐ温かいまなざしは健在です。山本氏の小説に悪人はいません。そりゃあ、ちょっとイヤな奴、いささかヘンな奴はいます。天国の物語じゃないのですから。でもそんな人物も本当はイイやつなんです。ちょっとした怒りやジェラシーから相手を傷つけるような行動をとったり、言葉を発してしまう。でもそれはその時のいきさつからそうなったわけで、場面が違えばまた別の顔が見えてくるはず。山本氏の小説を読んでいつも思うのは「世の中、捨てたもんじゃない」だ。私はそう信じている。2013/01/14
七色一味
84
読破。甘酸っぱい、小学生の初恋のお話。例え小学生だって、男だったり女だったり。悩みもあれば嫉妬もするし、大人顔負けの純情+直情径行な行動を取っちゃったりもする。いいなぁ、こそばゆいなぁ^^ おまけの短編は町田さんと日下くん。このふたりもイイ。可愛いけれど、ガッツリ読める作品です。2013/05/22
takaC
78
単行本で読んでるので、解説があったら読もうとペラペラ捲ったら、あれ、解説はないけど、書き足しの書き下ろしがあるのね。こりゃ読まねばと、結局頭から通しで読み切ってしまった。小森も日下もいいヤツらだよ。自分的には山田香な子は岸本紀子(@『永遠の出口』)とダブるな。そして、”とある女性漫才コンビ”ってもしかしてあれ、”アカヒト”、ですか?そうですね?2011/02/12
ゆかーん
70
小学生の甘酸っぱい恋、可愛いですね!大人になると忘れてしまう、ちょっとした仕草や言動にソワソワする懐かしい気持ちを思い出します。小学4年生までは、男女も恋愛も関係なく仲よく遊んでいたのに、高学年になったとたんにグループが出来てオシャレを気にするようになる女の子。そこに加えて、恋愛話も出てくるのですから、女の子って色々面倒ですね(笑)そんな少し大人の階段を上り始めた主人公の香な子は、クラスメイトのコーモリ君といい感じに…!?最後の最後まで二人の仲がどうなるのかドキドキしてしまう胸キュンストーリーでした。2016/12/07
takaC
55
妻から又貸しされた小5(香な子やコーモリたちと同学年)の息子が面白かったと持ち主の自分に返してくれたので勢いで再読。単行本と文庫本合わせても630userの小説だけど、自分は大好きです。2012/06/15