内容説明
父のあまりにも、自己中心的な教育方針におしつぶされていく六年生の徹。父と対立する母、あまえんぼうの妹…。一人青い部屋にとじこもる徹の日々。やがて、不登校、原因不明の発熱、入院がつづく。その徹が、生きる勇気をとりもどすことができたのは何だったのでしょうか。この物語は、あらためて家族の愛の意味を、あなたに問いかけます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
48
父親の子どもへの姿勢がとにかく一方的。それを最善を尽くしていると誤解しており、子どもが言うとおりにならないことへの苛立ちで、さらにエスカレートしていく。徹が発熱したり倒れたりするのも、決して仮病なんかじゃないのに、退院の翌日からまた同じ日々がくりかえされる。児童文学として読むのは、あまりにつらいが、さすがに理解への兆しもみえてくる。本当につらければ、カウンセラーにも会いたくなくなってしまうほどだということ。家族できちんと話し合い、言うべきことは遠慮しないで言える条件。それがどんなに大切かがわかる。2021/11/10