感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
9
『地獄の季節』の読み方、およびその詩想を教わったことで得たブレイクスルーは素晴らしい。もっと言えばStingが〝I Can stop thinking about you〟の曲想を語ったところも示唆的なのだが、概ねすべての詩はミューズへと捧げられるものと理解し、さらにそのミューズそのものを可変的なものとして了解すると一挙に視界が広がる。この詩集がこだわる男や女や犬や鳥や、そして物質においてさえ、手を伸ばせば消えてしまいそうに幽けき実在なのであって、その気味を目で追い、声で辿ってみると何とも言えずに美味。2017/09/21