内容説明
オリーブ母さんは南国フィリピンからいっぱい民話をつめ込んでやってきた。祖国の文化を山形弁で豊かな感性で表現したら国際理解へとつながった。アジアの心、国際理解・やすらぎ。声を出したくなる本。
著者等紹介
須藤オリーブ[スドウオリーブ]
1965年フィリピン・マニラ生まれ。ハイスクールを卒業後、85年に来日。山形県最上郡大蔵村で国際結婚をして3人の子どものお母さんとなる。幼児体験の民話を、豊かな感性で大蔵弁で表現した
野村敬子[ノムラケイコ]
1938年、山形県生まれ。新庄南高校・国学院大学卒業。夫・野村純一と昔話の共同研究。女性の視点での口承文芸研究。外国籍妻・母親たちの語りにも取り組む。日本口承文芸学会会員。女性民俗学研究会会員
三栗沙緒子[ミツクリサオコ]
1970年、東京都新宿区生まれ。自由の森学園高校卒業。武蔵野美術短期大学卒業。韓国留学後、フィリピン、中国、ネパール他、アジアの文化に親しみ、渡航をして、スケッチや研究をしている。挿絵に「フィリピンの民話」「少女が運んだ中国民話」(共に星の環会刊)その他がある。画家
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感想・レビュー
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とよぽん
39
須藤オリーブさん、フィリピン生まれ。来日して山形県で国際結婚した。この方がフィリピンの民話を山形の方言で語る。それをまとめ、絵を付けたのが本書(9話)。女の子が辛い思いをする話や、残酷な話もあった。「嘘つきピランド」が一番面白かった。知恵の長けた男の子だが、舌先三寸で財宝や地位を手に入れ、ウソをついた報いを受けない。そこはどうもいただけない。絵はビビッドで南国の雰囲気が伝わる。2020/08/31
ヒラP@ehon.gohon
16
フィリピンの民話なのに、山形の方言で語られていることに不思議さを感じました。 国際結婚したオリーブさんならではの語りですが、母国を思うオリーブさんの精神的なご苦労もうかがえて、しみじみとしてしまいました。 「バナナ」の話とか、「嘘つきピランド」とか、今まで聞いたことのない独特な民話が選ばれたのは、オリーブさんの思い出すフィリピンだからかもしれないと思ったりもしました。 どのお話も興味深く、日本の方言で語られるだけに親しみが持てます。2020/08/21
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
15
アジアの心の民話はシリーズで発刊されていて、アジアというだけあって?日本の民話の類話が多いように感じます。『 空が高いわけ / ピンドン / バナナ / 水牛とべこ / パイナップル / 蛍 / 王さまと二人の母 / 嘘つきピランド / 恥ずかしがりやのマカヒヤ 』 2020/03/25
舟江
6
農耕が始まってから、国造りが始まったようだ。焚火が太陽になり、土鍋が満月になり、櫛が三日月になり、首飾りが星座になったという。同じ島国なのに、こうも違うとは... また落語の「大岡裁き(子争い)」が、同じ形で書かれているのには驚かされた。2016/09/08
ハルマル
5
可哀想な少女、賢い嘘つき少年の結末は……それで良いの?!というオチもまた面白い。異国の民話をもっと読んでみたくなった。2017/10/21