ファウスト伝説―悪魔と魔法の西洋文化史

溝井 裕一【著】

文理閣（2009/08発売）

• サイズ A5判／ページ数 249p／高さ 21cm
• 商品コード 9784892595981
• NDC分類 388.34
• Cコード C0022

内容説明

知られざる闇のヨーロッパ。変身魔法、飛行魔法、性愛魔法、害悪魔法…伝説化されたファウスト博士の虚像と実像を手がかりに、魔法と悪魔に彩られた近世ヨーロッパの文化・社会を読み解く。多くの図版とともに、わかりやすく解説した入門書。

目次

序章　魔法使いファウストがゆく（旅のはじまり―「ファウスト伝説」ゆかりの地を歩く）
第１章　“地の巻”「ファウスト伝説」の形成（歴史上のファウストとその時代；「ファウスト伝説」の胎動期）
第２章　“水の巻”ファウストにまつわる「ほんとうにあった怖い話」―伝説書『ヨーハン・ファウストゥス博士のヒストリア』（「ファウスト本」の登場；「ファウスト本」のあらすじ；「ファウスト本」は「ほんとうにあった怖い話」；歴史と娯楽と教訓と―「ファウスト本」と当時の歴史観）
第３章　“火の巻”「ファウスト伝説」と一六世紀の世界観（「ファウスト伝説」と魔法の世界；「ファウスト本」と近世の悪魔観；一六世紀の「ファウスト伝説」をふりかえる）
第４章　“風の巻”「ファウスト伝説」のその後―「魔法書」と土地伝説の世界（「ファウスト伝説」のその後；ファウストの魔法書；ファウストにまつわる土地伝説の世界）

著者等紹介

溝井裕一［ミゾイユウイチ］
１９７９年兵庫県神戸市に生まれる。２００３年関西大学文学部ドイツ語ドイツ文学科卒業。２００８年関西大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。現在、関西大学東西学術研究所・非常勤研究員、非常勤講師。博士（文学）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

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[tieckP（ティークP）]

基本的には実在のファウストとそこから生まれた『ファウスト本』についての本で、国書刊行会から松浦純が出した『ファウスト本』翻訳の解説がギュッと詰めたものだとしたら、それを丁寧にかみ砕いたもの。３章では、やや本の統一を欠くが、中世における魔法についての一般的な文化史を述べている。そうしたテーマの別の本もあるだろうけれども、本書で読んでも悪くはない。４章では『ファウスト本』からゲーテに至る以外の都市伝説ファウストを紹介していて、生き返らせようとして失敗する例や悪魔をこき使うファウストなどなかなか興味深い。

2021/11/19

[なお]

初回。改めて読みたい

2013/10/06

[ぱに]

全部は読めなかったんだけど、序章のマウルブロン修道院にファウスト伝説があるというエピソードだけでもチラ読みした甲斐があった！マウルブロンはヘッセしか関係ないと思ってたので。実在したファウストに迫ろうとしてくれたので、参考になりました。

2018/10/05