内容説明
「国民投票」について比較憲法的視野からその功罪を分析。市民運動の早期国民投票法制定論を批判的に検討し、わが国では「国民投票」よりも選挙制度の抜本改革で民主主義を実現すべきと主張する。
目次
序章 いま、九条を放棄してしまってよいのか
第1章 自民党の新憲法草案は憲法「改正」案なのか
第2章 憲法改正国民投票法制定の必要性はあるのか―そのねらいは
第3章 憲法改正国民投票法案のどこが問題か
第4章 日本国憲法では、憲法改正国民投票制をどう定めているのか
第5章 外国では、国民投票制をどう定めているのか―どくにスイス・オーストリアの場合
第6章 国民投票(制)の光と影
終章 「九条の会」をさらに広げ、九条支持を確固とした多数派に
著者等紹介
渡辺久丸[ワタナベヒサマル]
1939年静岡県沼津市に生まれる。1968年同志社大学大学院法学研究科博士課程修了。1973年~立命館大学法学部助教授・教授を経て、1985年~島根大学法文学部教授(憲法学)、法学博士(立命館大学)。2002年島根大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Takao
4
2006年9月20日発行(初版)。2007年5月18日、国民投票法が成立したが、本書の発行はその1年前。憲法の基本原理を変えてしまうような改正は可能なのか、2005年の自民党「新憲法草案」は憲法の「改正」なのか、当時出されていた憲法改正のための国民投票法案(自民党案と民主党案)の検討などに加えて、諸外国での憲法改正をめぐる状況などを紹介している。発行から12年経ったが、本書がテーマとしている国民投票法はすでに成立・施行され、国民投票の実施が現実味を持ってきている。急がば回れ、原点に立ち戻ってみたい。2018/04/25